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【米子方式のまちづくり】(補論)アーケード撤去から始まるまちづくり~株式会社法勝寺町の取り組み~ 杉谷第士郎・石賀治彦

商店街〜エリアごとのまちづくり会社で進める、米子方式のまちづくり 杉谷第士郎

補論では、杉谷さんのサポートのもと、老朽化したアーケードの撤去から始まる新たなまちづくりを進める株式会社法勝寺町・石賀治彦さんから、 その取り組みをご紹介いただきます。空き店舗率55%、高齢化も進み振興組合は既に解散、老朽化したアーケードの修繕維持費や電気代もままならない状況から、有志でまちづくり会社を設立し地権者の同意を得、「商店街の公園化」をコンセプトに進められた取り組みを通じて、アーケードを外した商店街の未来を考えます。

  ※本コンテンツは、2011年10月に行われた鳥取県米子市現地研修におけるレクチャーの内容を加筆・編集して作成したものです  

「商店街の公園化」をコンセプトに

杉谷 前回簡単にご説明しましたが、株式会社法勝寺町さんでは、国の支援をいだいて築130年の白壁土蔵の蔵をリノベーションして複合商業施設とした「善五郎蔵」をオープンさせるとともに、商業環境整備事業として老朽化したアーケードの撤去を行い、その第二次事業として2011年3月に路面整備を完了しました。

アーケードを撤去しリニューアルしたほっしょうじ通りの風景
アーケードを撤去しリニューアルしたほっしょうじ通りの風景

この取り組みは商業活性化というよりは「商店街の公園化」ということをコンセプトに進められました。

法勝寺町商店街はもともと平均空き店舗率が市内で最も高い55%というところだったのですが、アーケード撤去によってもたらされた陽射しを活かして花や緑をふんだんに使い、路面には透水性のコンクリートブロックと芝生を敷いて、地元住民をモチーフにした「七福神」のモニュメントを設置したり、LEDによるソーラー照明、来待石のフットライトやベンチなどを備えた「ほっしょうじ通り」として生まれ変わっています。

簡単に事業のスキームをご説明しておくと、株式会社法勝寺町の前身となる法勝寺町商店街振興組合は2001年に解散して任意団体の法勝寺町商店会として運営されていて、基本計画の認定に先立つ2008年9月に石賀さんをはじめとする地元の商店主さん3人が中心となって資本金150万円でまちづくり会社を設立されました。

そして、善五郎蔵、アーケード撤去(第一次商業環境整備)、路面整備(第二次商業環境整備)と、いずれも経済産業省の戦略的中心市街地商業等活性化補助金(以下、戦略補助金)を導入させていただいています。

こうした取り組みを中心になって進めてきたのが、株式会社法勝寺町の代表取締役である石賀治彦さんです。

私はタウンマネージャーになってからはじめて石賀さんとお会いしたのですが、アーケードについて石賀さんがおっしゃったのは「次の世代につけを残したくない」ということでした。

法勝寺町の商店街では2007年の台風の時にアーケードから落下物があって、米子市から通行禁止の指示が出たことがありました。

保険はもちろんかけているけれど、また台風があって何か落下物があって通行者の方に当たったら、その時はたとえ保険をかけていても言い訳はできない、とおっしゃった。

また、石賀さんは10年間にわたって、毎週末、一銭も儲からないのに地域の子どもたちのために駄菓子屋を開くということをされていました。そんなふうに、この人の話を聞いたらどなただって応援しようと思うという方です。

株式会社法勝寺町代表取締役の石賀治彦さん
株式会社法勝寺町代表取締役の石賀治彦さん

石賀 株式会社法勝寺町の代表取締役をしている石賀と申します。

私は1993年に米子に帰ってきて家業を継ぐことになったんですけれども、商店街をこのままで終わらせてはいけないというのと、このまちが好きだという思いで、いろんなことに挑戦してきました。

ただ、今回のアーケード撤去に始まる一連のことは、お金がなかったというのがそもそもの始まりなんです。

次項 アーケード撤去の見積もりは1000万円
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目次
(1)「商店街の公園化」をコンセプトに
  (2)アーケード撤去の見積もりは1000万円
  (3)意思決定を支えた信頼関係
  (4)歩いて楽しい、公園のような商店街をつくりたい
  (5)七福神が暮らすまち
  (6)公園のような商店街は、アーケードと何が違うのか

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杉谷 第士郎 杉谷 第士郎

米子市中心市街地活性化協議会 タウンマネージャー
米子市出身。大手流通企業にて商品開発、経営企画、新規業態開発に従事後、イタリア・ミラノにて大型複合専門店の開発・経営を行ない、以降、多数の事業提携プロジェクトに携わる。2004年にUターン。(財)とっとりコンベンションビューローにて地域資源を活かしたオリジナルコンベンション企画に従事した後、米子コンベンションセンター館長を務める。2007年春よりまちづくりNPOの設立に参画。併せて広域観光推進による地域活性化を目的としたNPO、地域の支え合い福祉ネットワーク形成を目的としたNPOに参画。2007年12月より米子市中心市街地活性化協議会・タウンマネージャーを務め、協議会活動と中心市街地活性化基本計画の策定を推進し、そのコア事業となる“にぎわいトライアングル”における民間事業の掘り起こしと事業化の推進コーディネートを行った。
オフィス・コモンズ代表。


登録日 2012年2月15日(水曜)00:00

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