コラム・事例紹介

第27回 まちづくりコラム 「『まちへの愛着心』と『人』」 田伏 清巳

田伏 清巳

田伏 清巳(たぶせ・きよみ)

砂川市経済部商工労働観光課長
昭和49年砂川市勤務。すながわスイートロード事業企画運営スタッフ、砂川市中心市街地活性化基本計画策定担当スタッフ、まちづくりとして、市民グループ「ジャリンバ」等のスタッフとして、幅広く活動している。

すながわスイートロード事業の取り組み


地元のお菓子屋さんと野焼き(植木鉢を使ってパンを焼く)に挑戦!


摘果から、お菓子屋さんを講師に招いたアップルパイづくりまで、親子で体験


毎回長蛇の列になる、スイーツバイキングには、地元のお菓子が勢ぞろいする。


10月になると、店先に飾られた、カボチャのランタンが商店街を灯す。


「Trick or treat!」『ハロウィンパレード』で、子供達は商店からお菓子をもらう。

七夕でも、ディスプレイを凝らした中心市街地を子供達がパレードする

毎年、スイートロードをお目当てに、遠方のお客様もツアーで大勢やってくる。

「すながわスイートロード事業」は砂川のお菓子の魅力で「砂川の知名度向上」と「市内外消費者の誘致」を目的として平成14年から続けているまちおこし事業です。「砂川のお菓子おいしいよ!」対外的に印象の薄い砂川のまちをまずはひとことで自慢したい。そんな思いから挑戦が始まりました。
平成12年に、この構想を実現するために官民が集まった話し合いがもたれました。その席で、砂川で生まれた9社のお菓子屋さんたちから率直な意見が次々と出てきました。
「自分たちは今まで行政の力を借りずに商売をしてきた。これから先もその姿勢を変えるつもりはない」「今まで許されていたミスが許されなくなる。これは大変なプレッシャーだ」「自分たちにそんな力量はない」「店の個性を枠にはめられてしまう」
砂川のお菓子屋さんたちは昭和50年代に砂川だけの独自の組織「砂川菓子組合」を結成しました。砂川のまちを拠点にお菓子で商売をしているもの同士、普段はライバルでも力を合わせられるところは協力しようという趣旨の組織です。長年にわたり公民館でのお菓子作り講座の講師などを続けている皆さんです。その言葉には信念が込められていました。
そんなお菓子屋さんたちの意見を聞いて、会議に参加していた他の団体の人たちは強く感じました。「お菓子屋さんたちはこの構想で自分たちだけが儲けようなどとは微塵も思っていない」「このお菓子屋さんたちの力を借りて砂川のまちを元気にしたい」
その後も青年会議所や商工会議所青年部、消費者協会等の代表者たちとお菓子屋さんたち、そして行政の担当者たちとの話し合いが繰り返され、お菓子屋さんたちは「微力だが、自分たちの存在が砂川のまちのお役にたつのなら協力したい」と言ってくれました。
2年間の話し合いを経て、平成14年には「すながわスイートロード協議会」が発足しました。砂川のお菓子の魅力で「砂川の知名度向上」と「市内外消費者の誘致」を目指すという明確な目標も打ち出されました。スイートの意味には、心地よい・楽しいという気持ちも込め、自然や公園、文化や体育もスイートだと考えました。事業も「体験型」「商店街レベルアップ」「PR」等、目的ごとに分類しました。事業の企画や運営は、お菓子屋さん以外の皆さんが考え実施します。行政は予算獲得と事務局を担っています。これまでに様々な事業に挑戦してきました。1・2回実施してストップした事業もあれば、年々進化していく事業も生まれました。
例えば「ジャリン子ハロウィン」は、最初は10月のハロウィンの時期にカボチャのランタン(提灯)で商店の店先を飾る事業でした。「じゃあ商店街を舞台にして仮装パレードもやってみようか」となり、商店会の皆様が参加した子供たちにお菓子をプレゼントします。当初はすながわスイートロード協議会単独主催だったものが、「これはおもしろい!」と砂川ロータリークラブ・砂川商店会連合会・国際交流委員会等8団体が大同団結して「ジャリン子ハロウィン実行委員会」が立ち上がりました。ハロウィンパレードがあるなら七夕にもパレードをしようと、同じメンバーが「ジャリン子七夕実行委員会」を立ち上げました。両パレードとも約300名の子供たちが参加します。当日は砂川の大人たちが子供たちの喜ぶ顔を見たい一心でお世話係を務めます。子供たちの笑顔と歓声が砂川のまちに元気をもたらしてくれます。
砂川スイートロード事業も今年で8年目を迎えます。通過型のまちだった砂川に、お菓子屋さんを目指したお客様たちが徐々に足を踏み入れてくれるようになってきました。砂川のお菓子屋さんめぐりをする観光バスも立ち寄ってくれるようになりました。「砂川っていえばお菓子だよね」という声も頂けるようになりました。
課題もあります。「スイートロードってどこにあるの?」実際はお菓子屋さんは一か所に並んでいるのではなく9社12店舗が市内に点在しています。また、多くの市民の皆様から「砂川の名前が知られるようになってうれしい」という声が寄せられる反面、商業界からは「なぜ菓子業界ばかりを応援するの?」という疑問も出てきています。「市内外消費者の誘致」つまり、お菓子屋さんの力を借りて、砂川の商店街に消費者を呼び込みたいという目標が浸透していなかったのです。しかし、スイートロード事業の課題が新たな挑戦に結びつきました。平成19年に内閣総理大臣認定を受けた砂川市中心市街地活性化基本計画の「商店街の活性化」という目標につながったのです。

「まちへの愛着心」と「人」

「ながわスイートロード事業」が成果とともに課題も抱えながら多くの方たちの協力で事業が継続できている原動力は「まちへの愛着心」です。「良いことも、そうじゃないこともあるけれどなんだかんだいって自分たちは砂川が好きなんだ」そんな気持ちがこの事業を支えているのだと思います。そしてまちおこしの最大の目標は砂川にご縁のある「人」に元気になって頂くこと。事業は人が元気になるための手段。100人100様の考えを持った「人」が主役だからうまくいくときもあればなかなか前へ進まないときもある。だからこそまちおこしは奥が深くやりがいがあるのでしょうね。先達の皆様が生み出してくださった「まちおこしは人おこし」という金言。この素晴らしい言葉を信じて、これから先も仲間たちと挑戦を続けていきたいと考えています。

関連リンク

すながわスイートロード

登録日 2009年10月09日(金曜)10:59

ログイン

新規会員登録はこちら

メールマガジン配信内容募集中

マチイベ!(街のイベント)募集

-中心市街地活性化-まちづくり-サイト内検索

-中心市街地活性化-まちづくり-もっと詳しく検索する

好きなまちで挑戦し続ける

街元気パンフレット

街元気サイトツイッター

街元気facebook

  • -中心市街地活性化-まちづくり-経済産業省
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中小企業基盤整備機構
  • -中心市街地活性化-まちづくり-全国商店街支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中心市街地活性化協議会 支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト