コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「大森まちづくりカフェ」(東京都大田区)前編  〜タウン誌を持ってまちへ出よう!〜

タウン誌を読むことはまちを歩くこと

第6号の表紙。毎号、大きな地図とイラストが掲載される
第6号のパン特集。表紙のリード文には創刊号から一貫して「大森まちづくりカフェを持って、まちへ出よう!」という言葉が入り、テーマに沿った店舗やスポットを紹介する大きな地図が掲載される

同誌のターゲットは、大森駅から半径1.5kmに在住在勤の人たち。大森は駅の場所こそ大田区だが、品川区との境に位置している。そこで、両区にまたがるエリアを設定。行政の区分にしばられることなく、大森に暮らす生活者としての目線から、リアルなまちの情報を届けている。

サブタイトルに「ワタシとまちを元気にする情報紙」と銘打った誌面の表紙を飾るのは、テーマ別にオススメのお店やスポットを、大きな地図とイラストで紹介する巻頭特集。

これまで、「大森でおいしいパンと出会う」「大森和菓子専科」といったグルメ特集をはじめ、新生活の始まる春号では料理教室やパソコン教室などを紹介する「大森おケイコ事情」、秋号では芸術の秋を満喫するために気軽にアートを楽しめるギャラリーを紹介する「大森アート気分」など、季節や流行も取り入れて、地域に根づいてがんばっているお店や、知られざる穴場的なお店が紹介されてきた。

創刊当初は、オススメのお店やスポットを紹介しようにも、インターネット上では掲載したい情報が集まらなかった、とたかださんはいう。ところが、実際に取材先を一軒訪問すると、店主やお客さんが同業のお店を次から次へと芋づる式に教えてくれるようになった。

「これこそ、まちに必要なネットワークなのでは!と思ったんです。このリアルなつながりを誌面に反映していく。それがタウン誌の作り手の使命だと感じました」

巻頭に地図が大きく掲載されているのは、そうした狙いを反映したものなのだ。

続く2面以降の特集記事は1面とは打って変わって、1500字を超える長編の記事が続く。2面は大森という場所にまつわる歴史や文化などをひもとくコーナー「大森の地霊」。

たとえば、第6号「大森に生まれた島」では、第二次世界大戦時に外国人捕虜収容所があった歴史を持つ平和島を、戦後の変遷とともに紹介。第16号の「海苔の記憶、海苔の記録」では、かつての地場産業である海苔の養殖の往事と、現在に至るまでの盛衰を紹介している。また第18号では、「大森・シネマ・パラダイス」と題して日本における映画館の歴史をたどりながら、大森の映画館の変遷を追っている。

この他にこれまで取り上げられたのは、温泉、電車、川、橋、また交差点などなど。それぞれのスポットにまつわる歴史を丁寧に掘り起こし、補足資料として地図や昔の写真も掲載。現在の場所と対応させて、「まちを読む=まちを歩く」ことができるようになっている。

第6号2面の特集記事。「大森に生まれた島」 第18号2面の特集記事。「大森・シネマ・パラダイス」
2面の特集記事「大森の地霊」。「地霊」とは、その土地固有の歴史のこと。第6号では、「大森に生まれた島」と題して、平和島とその周辺が造成されていく変遷を地図で紹介している 第18号2面「大森・シネマ・パラダイス」。地図で現在の場所と照らし合わせ、「昔のまち」と「いまのまち」を重ねてたどることができる

有名無名にかかわらず、長い歴史を持つ市街地ならではの地域資源につぶさに目を向けた2面の特集。よく見知っている何でもない場所がこんなに厚みのある歴史背景を持っていたのか、と驚くたびに、いつの間にか大森のまちに興味を持ってもらえるように ──そんな狙いが効を奏している力作の記事ばかりだ。

次項 人とまちとのつながりをつくる誌面づくり
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目次
  (1)イントロダクション
  (2)まちへ出てもらうためのきっかけをつくる情報発信
(3)タウン誌を読むことはまちを歩くこと
  (4)人とまちとのつながりをつくる誌面づくり

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登録日 2011年9月02日(金曜)00:00

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