コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「高松スタイル anki(あんき)」(香川県高松市)後編 ~まちの可能性を拡大する、コミュニティメディアの役割~

商店街と生産者もつなぐチーム力――「anki」編集委員会

「anki」編集委員会は、小西さんをはじめ、デザイナーやプロのライター3~4人のチームで構成されている。

編集費・印刷費はすべて高松丸亀町商店街振興組合の経費だが、組合が提示するのは基本的なテーマのみ。具体的な企画内容は編集チームが毎号提案している。「anki」は再開発の節目に刊行されるため、たとえば7号の「アーケード完成、中間報告」などはあらかじめ決まっていたが、「組合理事長と山崎亮さんとの対談」といった具体的な企画は、再開発をより客観的に伝えるために編集側から提案したものだ。

取材・執筆・写真撮影も編集委員会が行う。必ずしも分業ではなく、ライターが写真を撮ればその逆もある。一人一人がひとつの役割に縛られず、攻守バランスのよいサッカーのフォーメーションのような動きができるのは、前編集長の教えに基づいて、日々腕を磨いている賜物だろう。

デザイナー仁田貴夫さんの存在も大きい。香川県生まれ、東京の大手広告代理店を経て高松に仁田デザイン事務所を設立。地元企業の広告やプロダクトのデザインなどを一手に担うクリエイターだ。創刊号から「anki」のアート・ディレクションを行ってきた。誌面レイアウトをただ行うのではく、媒体全体のイメージをつくり出す役目を果たす。

類にもれず仁田さんもデザインのみならず企画力を発揮している。5号以降の見開き企画広告「私の宝物~特別注文の贅沢」がそれだ。木工家具の「桜製作所」、自転車の「TYRELL」、眼鏡の「隠れ屋1632」など手づくりで一品生産を行う県内のお店を紹介する内容で、地元クリエイターやモノの魅力を伝える。ちなみに紹介されているモノの注文者は仁田さんご自身とのことだ。

ライターの山下亜希子さんは連載「さぬきの旬を味わう12カ月」を寄稿。弐番街の「食プロジェクト」に小西さんとともに併走しながら地元の食材を取材してきた。6号の「こんぴらニンニク」、7号の「豊島レモン」はともに生産者に取材し、ガーリックオイルやジャムなど第六次産業に発展中の現場をレポートする。

一見するとこれらの記事は、丸亀町の営みとは直接関係ないようにも思える。しかし「質のよいものを売る」という共通した「商売」の姿勢を伝えるとともに、生産者と商店との新しい関係性を発見しながら、丸亀町が取り扱う商品の可能性をも広げようとしているのだ。

「anki」6号のさぬきの旬を味わう12カ月 「anki」7号の企画広告「私の宝物」
仁田さんが企画する「私の宝物~特別注文の贅沢」。香川で自転車メーカーを立ち上げた廣瀬将人氏にインタビュー 山下さんがレポートする「さぬきの旬を味わう12カ月」、豊島レモンを紹介
次項 まちづくりの段階に応じて変わること、変わらないこと
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目次
  (1)地元の編集力を高める
(2)商店街と生産者もつなぐチーム力――「anki」編集委員会
  (3)まちづくりの段階に応じて変わること、変わらないこと
  (4)データ

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登録日 2011年9月22日(木曜)00:00

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