コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「西之門しんぶん」(長野県長野市)前編 〜日々の暮らしに寄り添う小さなメディア〜

世代を超えてつながる、馴染みのある「しんぶん」形式

JR長野駅から2kmほど北に位置し、年間600万人もの参拝客が訪れる善光寺。「牛にひかれて善光寺参り」とのことわざにも名高く、長野県の県庁所在地である長野市の中心的存在を担っている。

古くから善光寺の周りにはいわゆる「門前町」が形成され、明治時代まではたくさんの商店や問屋が軒をつらね、人の往来も盛んだった。しかしながら鉄道の開通により、人の流れは門前町から長野駅周辺に、また2000年頃にはショッピングセンターの進出から市の郊外へと移っていった。かつての門前町には空き家や駐車場が増え、住民の高齢化が進んでいるのが現状だ。

善光寺仁王門より本堂をのぞむ 長野駅と善光寺門前町エリアの立地図
善光寺仁王門より本堂をのぞむ 長野駅と善光寺門前町エリアの立地図

現在も善光寺の周りには、小さなまちが30ほどひしめきあい、古く趣きのある建物が点在し、門前町の雰囲気を残している。その門前町のひとつ「西之門町」は、善光寺仁王門から西に1本入ったエリアに、全長約100mの通りを囲むように位置する。江戸時代は35軒以上あったという商店や問屋も、いまは半分の17軒の商店と住宅からなる小さなまちだ。

その西之門町のまちの17軒に向けて、2003年6月、1枚の新聞が生まれた。

わらばん紙に、手書きの文字とイラストで描かれた「西之門しんぶん」を発行するのは、長野市を中心に本や雑誌の企画編集、またギャラリーの運営などを行う編集室ナノグラフィカ。そもそもなぜ「まちの17軒」に向けて新聞をつくろうと思ったのだろうか?

それは、ナノグラフィカの事務所兼住居を、西之門町の古い商家に構えることになったのがきっかけだ。メンバーの年齢は当時、20代後半から30代前半。お年寄りが多い西之門町のなかで、「ヨソモノ」としてまちへ入ってきた自分たちが楽しんで活動できることは何だろうか、と考えた時に、いわば「引っ越しの挨拶」のように「西之門しんぶん」は生まれたのだ。

ナノグラフィカの高井綾子さん 2003年6月発刊の「西之門しんぶん」創刊号
ナノグラフィカの高井綾子さん 2003年6月に発刊された「西之門しんぶん」創刊号

創刊から8年間にわたって制作を担当するナノグラフィカの高井綾子さんは、「最初は思いつきだったんです」と語る。

「学生時代から壁新聞やミニコミが好きで、大学卒業後は地元でタウン誌の編集の仕事をしていたこともあって、『このまちにやってきて私が何かやるとしたら何だろう』と考えた時に、単純に『まちについての発行物』をつくろうと思ったんです。当時はパソコンも持っていなかったしお金もなかったので、メンバーと相談していくなかで、わらばん紙に手書きというスタイルで『新聞を発行してみよう』と思ったんです」

さまざまな世代に馴染みのある「新聞」という形式をとって始まった「西之門しんぶん」は次第にまちにとって存在感のある代物となり、予想もしなかった人とのつながりや広がりをもたらすことになっていく。

それではまず、その誌面を見てみよう。

次項 まちの魅力は、いくら発信しても尽きることがない
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目次
  (1)イントロダクション
(2)世代を超えてつながる、馴染みのある「しんぶん」形式
  (3)まちの魅力は、いくら発信しても尽きることがない
  (4)小さな視点から出発すると、面白いことがたくさん見えてくる

関連リンク

編集室ナノグラフィカ
長野・門前暮らしのすすめ

登録日 2011年9月30日(金曜)00:00

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