コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「西之門しんぶん」(長野県長野市)後編 〜ナノレベルの視点からまちを「編集」する〜

長野県長野市の西之門町に暮らす17軒に向けてつくられた「西之門しんぶん」。まちで暮らし、まちに寄り添いながら制作するというスタイルを貫くことで、まちの内外に愛される新聞へと成長しました。後編では、「西之門しんぶん」制作の裏側や、編集室ナノグラフィカの既存の価値に捉われない考え方などを紹介します。
(前編から読む)

わらばん紙に輪転機、アナログな手法で始められる新聞づくり

長野市西之門町に実際に暮らしながら「西之門しんぶん」をつくってきた編集室ナノグラフィカ。B4判のわらばん紙1枚というフォーマットから考えても、これほど気軽に始められる情報誌はないだろう。実際、コストはどれほどかかっているのだろうか?

1回の発行部数である1000部を刷るにつき、コストは1000円。その内訳は900円が紙代で、100円が印刷代。印刷代が特に安い理由は、長野市ボランティアセンターで市民が廉価で利用できる輪転機を使用しているからだという。

だが、取材やイラストなどの作業料や、自分たちで行う配布の手間を考えたら、本当は1000円ではないが、それは金額として計上しない。

また、広告も一切取らない。話が来た場合も断るようにしているが、断れない時は「何か記事のネタになるような面白いことをやってください」とお願いして、掲載料を取らずに記事にまとめるようにしている。

つまり、新聞からは直接の収入を出さない方針でこれまでずっと続けているのだ。結果的に「西之門しんぶん」がナノグラフィカの広告となり、他の仕事へ結びつくことも多いという。

2006年に発行された創刊号~4号 2010年にリニューアルされた「anki」5号
構成用のラフや原稿の下書き。高井さんは「西之門しんぶん」を始めるまで、イラストを描く仕事をしたことがなかったというから驚きだ 「西之門しんぶん」や「街並み」を見て、これまで依頼された仕事の数々。イラストを含む地図や冊子など多岐にわたる

制作は取材から執筆、イラスト、編集までをナノグラフィカのメンバー高井綾子さんが、校正を同じくメンバーの増澤珠美さんが担当する。1号にかかる制作期間はおよそ1週間、原稿づくりはすべて手書きで行われる。記事毎に四角く紙を切って、鉛筆でおおまかにイラストと文章を書き、サイズを調整しながら割付通りにペンで清書する。

アナログな手法を取った、一見、誰にでも気軽に始められるスタイル。だが、8年も続けるのは至難の業だ。日々の暮らしのなかで心に引っ掛かったことを書き貯めていく高井さんの手法は、絶えずまちへのアンテナを張っていなければできない。

「もうやめたい、と何度も思いました。けれど、まちの人が『まだ新聞出ないの?』『新聞が出てないと、あやちゃん(高井さん)が元気かどうかわからんよ』と言ってくれるから、続けていられるんです」

なかには「この新聞面白いから、おばちゃんが配るのを手伝ってあげるよ」と、なんと門前町エリアの300軒へ、厚意でポスティングをしてくれている近所の方もいるという。まちに愛される新聞として、いまではまちの人への気持ちに応えることが、新聞をつくり続けるためのモチベーションとなっているのだ。

 

誌面のイメージをクリックすると、拡大してご覧になることができます

次項 まちに種をまくように、新聞をつくる
1 2 3 4
目次
(1)わらばん紙に輪転機、アナログな手法で始められる新聞づくり
  (2)まちに種をまくように、新聞をつくる
  (3)まちへの想いをかたちにしたら、自然と「役割」ができてきた
  (4)データ

関連リンク

編集室ナノグラフィカ
長野・門前暮らしのすすめ

 

登録日 2011年10月07日(金曜)12:00

ログイン

新規会員登録はこちら

メールマガジン配信内容募集中

マチイベ!(街のイベント)募集

-中心市街地活性化-まちづくり-サイト内検索

-中心市街地活性化-まちづくり-もっと詳しく検索する

好きなまちで挑戦し続ける

街元気パンフレット

街元気サイトツイッター

街元気facebook

  • -中心市街地活性化-まちづくり-経済産業省
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中小企業基盤整備機構
  • -中心市街地活性化-まちづくり-全国商店街支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中心市街地活性化協議会 支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト