コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「西之門しんぶん」(長野県長野市)後編 〜ナノレベルの視点からまちを「編集」する〜

まちに種をまくように、新聞をつくる

紙媒体の編集から始まり、近年ではまちを面白くするためのさまざまな活動に取り組むナノグラフィカ。メンバーの増澤珠美さんは8年前をこう振り返る。

「まちの人にとって私たちの存在は、はじめは理解できないヨソモノというのが正直な気持ちだったと思うんです。そのなかで『西之門しんぶん』は、地道にまちに種をまいていくような作業だった」

ナノグラフィカの増澤珠美さん ナノグラフィカ全景。1階が喫茶室「金斗雲」。併設のギャラリーでは、地元作家の作品を中心に取り扱う
ナノグラフィカの増澤珠美さん ナノグラフィカ全景。1階が喫茶室「金斗雲」。併設のギャラリーでは、地元作家の作品を中心に取り扱う

そのなかでメンバーが心強く感じていたのは、同じ町内で三河屋洋傘店を経営している、元区長の北澤良洋さんの存在だ。

北澤さんは当時をこう語る。

「最初は、まちの人たちも警戒していたんだと思う。これまで若い人たちとの接点があまりなかったし、メンバーは全員ともに長野市出身じゃないからね。私は長く区長の仕事をしてきて、商店街の空き家対策には頭を悩ませていた。だからこそ、いろんな世代や業種の人がまちに来てくれたらと思っていたんだ。そこで『若い人たちを信用してみようよ!』と、まちの人たちを説得したんだよ」

北澤さんという広い視野を持った良き理解者を得たことで、まちとの接点が少しずつ増えてきた。だからこそメンバーは北澤さんの気持ちに応えたかったし、自分たちが考えているまちと関わりを丁寧に続けていこうと思ったのだ。

まちの人たちから慕われる名物(元)区長、三河屋洋傘店の北澤良洋さん 通りに面した窓の外から、近所の人がギャラリー内の増澤さんに話しかける
まちの人たちから慕われる名物(元)区長、三河屋洋傘店の北澤良洋さん 通りに面した窓の外から、近所の人がギャラリー内の増澤さんに話しかける

ナノグラフィカが西之門町に越してきた8年前から借りている商家は、およそ築100年の趣きのある建物。古くからのまちなみをつくってきた建物が持つ雰囲気を大切に、古い建具や家具などをできるだけ使用し、必要な箇所のみに自分たちの手で修繕を加えた。

現在、1階手前をギャラリー兼喫茶室に、奥を編集室に。2階は増澤さん一家が暮らしている。1階の喫茶室は通りに向けて大きな窓があり、まちの人は窓から直接、店のなかのメンバーと話す。大きく開かれた窓の存在は、ナノグラフィカのまちへの姿勢を表しているかのようだ。

「まちの『懐に入る』気持ちで、時間をかけて大切に関係性をつくってきた」と増澤さんは話す。まさに小さなことからこつこつと、まちに一粒ずつ種をまき、芽を育てていったのだ。

次項 まちへの想いをかたちにしたら、自然と「役割」ができてきた
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目次
  (1)わらばん紙に輪転機、アナログな手法で始められる新聞づくり
(2)まちに種をまくように、新聞をつくる
  (3)まちへの想いをかたちにしたら、自然と「役割」ができてきた
  (4)データ

関連リンク

編集室ナノグラフィカ
長野・門前暮らしのすすめ

登録日 2011年10月07日(金曜)12:00

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