三人寄れば文殊の知恵、ほっこるが「誇る」編集チーム
そもそも「hoccol」が生まれた経緯は何だったのだろうか?
「組合で続けてきた冬のイベントが、経費の割に商売に結びつかなかったんです。『だったらイベントの代わりに、その予算で情報誌を発行できないだろうか』という提案が、組合員さんからあって」と川村さん。
その提案が決定したのは2008年秋のこと。そこから「hoccol」が発行されるまでは3ヶ月弱との早さ。というのも、制作の取りまとめを地元の広告代理店に依頼したからだ。
広告代理店から紹介されたのが、現在「hoccol」を制作するメンバー、地元で活躍するコピーライターの西川佳乃さんとデザイナーの阿部路子さんだった。組合事務局の川村さんの前職がカメラマンであったことから、撮影兼進行管理は川村さんが担当。女性3名で構成される編集チームが発足した。
制作のスケジュールは、西川さんが最初に構成案の小さなラフをつくって、3人で企画会議。阿部さんが原寸ラフを作成し、それを手に3人で取材。西川さんからテキスト、川村さんから写真が上がってきたら、阿部さん担当のイラストとデザイン作業に入る。そして校正、取材先確認、入稿、印刷、完成。そこまでで計1 ヶ月半、ハイペースで進行していく。これは3名がプロであり、且つチームワークのよさを発揮しているからできる技だ。
デザイナーの阿部さんは言う。
「取材はいつも3人で行くんです。食べるものはぜんぶ食べ、試着もたくさんする。そのときの空気感や楽しさを一緒に感じていないと、こういったイラストやデザインにならないので」
通常、取材にはデザイナーは同席しないことが多い。取材後に文章や写真などの素材を受け取り、ビジュアル面を仕上げていくのが主な役割だからだ。ただ「hoccol」のように内容とビジュアルが密接に絡んだ誌面をつくろうと思ったら、デザイナー同行でなければできない。
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デザイナーの阿部路子さん。取材時のキーマン。彼女の手から、これまで数々のかわいらしく且つユニークなイラストが生まれてきた | 5号の編集後記でポーズを取る鳥居理事長。「2号で理事長の写真におそるおそるイラストを加えてみたら喜んでくれたので、だんだんエスカレートして(笑)」と阿部さん |
コピーライターの西川さんは言う。「買物公園は素敵な物も、美味しい食べ物もいっぱいある。けれど40年近く前からあったから当たり前すぎて、みんな慣れちゃっているだけなんですね。『hoccol』でお店を紹介したら読者の反応が新鮮で、今までいかに情報を『伝えていなかったか』を思い知らされたんです。だからもっと、まちに眠っているものを掘り起こして、ちゃんと伝えたい。知れば知るほど、私たちもまちへの愛着がどんどん湧いてきて」
編集部の3人自身が面白いと感じたことを真摯に伝えるために、「hoccol」にはさまざまな工夫が凝らされている。だからちゃんとまちの人に伝わるのだろう。
次項 商店街の内側にも広がるタウン誌効果 |
目次 | |
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(1)素直に「経費節減号」!まちの応援を継続の力に | |
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(2)三人寄れば文殊の知恵、ほっこるが「誇る」編集チーム |
(3)商店街の内側にも広がるタウン誌効果 | |
(4)データ |
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