コラム・事例紹介

【タウン誌事例集】「南部再生」(兵庫県尼崎市)前編 ~地域コンテンツを集めて見せる!まちの再生ツール~

「公害のまち」の「ありえへん夢」を実現するために

あまけん事務局をつとめる地域環境計画研究所の若狭健作さん(左)と綱本武雄(右)さん。「南部再生」の編集の核となる
あまけん事務局をつとめる地域環境計画研究所の若狭健作さん(左)と綱本武雄(右)さん。「南部再生」の編集の核となる

尼崎公害患者・家族の会が発行している再生プランの基本方針
尼崎公害患者・家族の会が発行している再生プランの基本方針

最新号 vol.40と vol.21号の表紙
最新号 vol.40と vol.21号の表紙


兵庫県尼崎市は、大阪と神戸の間に位置し、東西を川で挟まれた水運のまちだ。その立地のよさから明治後期以降、巨大資本による工場が林立することとなる。やがて阪神工業地帯の核となり、工場煤煙や国道43号・阪神高速からの自動車廃棄ガスなどを原因とする気管支喘息などの患者が増加。公害病として累計1万2千人以上が認定されたという。

「南部再生」は、そうした尼崎南部地域の「負」のイメージを再生することを目的に2001年に発行が始まり、今年創刊10周年を迎えたフリーマガジンだ。

発行元は「尼崎南部再生研究室」、通称「あまけん」。2001年、公害病認定患者とその遺族が、国や道路公団、電力・鉄鋼などの企業を相手に起こした集団訴訟の和解条項のなかに、損害賠償だけでなくまちを再生するための基金が盛り込まれたことから設立された市民団体だ。

あまけんでは、「公害のまち」というネガティブなイメージに隠れた地域の魅力を掘り出すため、産業遺産を活かした運河クルージングや、尼崎の伝統野菜(尼イモ)の復活、地元商店街やTMOと協力して「ものづくりのまち・尼崎」をアピールする「メイドインアマガサキコンペ」を開催するなど、尼崎に本来潜んでいる地域の魅力を積極的に掘り起こし、発信する活動を行っている。

その運営は、行政、銀行員、新聞記者、地元商店街の人などのボランティアによる活動と、事務局をつとめるまちづくりコンサルタント・地域環境計画研究所が担う。「南部再生」の編集も同研究所の若狭健作さん、綱本武雄さんが中心となり行っている。

「原告の尼崎公害患者・家族の会では、あまけん設立の前から、将来まちをどうしたいかというビジョンを描いていました。国道を地下に埋めるとか、運河を使った住宅街とか、ありえへん夢もありましたが、これを実現するのが僕たちのミッションでした」と若狭さんは言う。

その軸となってきたのが、創刊から10年続く「南部再生」の発行なのだ。「あまけん」の活動を伝え、ネガティブなイメージを外向けに払拭するだけでなく、尼崎地域が本来持つ魅力を地元の人により知ってもらうため、B級グルメや 、ものづくり、工都の変わりゆく姿を特集のテーマとし、季刊発行を続けてきた。

奇をてらうことなく、しかし遊び心にあふれた切り口から「まちをオモシロがる」視点を提供する「南部再生」。そのコンテンツ、そしてそれを生み出す取材方法・企画力の秘訣は何なのだろうか?

次項 まちをオモシロがる仲間づくりとコンテンツづくり
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目次
  (1)イントロダクション
(2)「公害のまち」の「ありえへん夢」を実現するために
  (3)まちをオモシロがる仲間づくりとコンテンツづくり
  (4) ディープな都市問題もポップに伝える

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登録日 2011年11月11日(金曜)00:00

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