「中心市街地活性化基本計画」を中高生にも届けることをコンセプトに、中活計画そのものを「よなご・かえるプロジェクト」と言い換え、その進捗を年に1度のペースで発信していく「よなご・かえる通信」。後編では外向けの情報発信だけではない発行の狙いや、制作の舞台裏をお伝えします。
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多様なまちづくりのプレイヤーを一堂に
中心市街地活性化基本計画を中高生にも届けることをコンセプトに、米子の中心市街地活性化計画(通称「よなご・かえるプロジェクト」)の進捗を伝える、「よなご・かえる通信」。
“変わるまちの風景”とそこに集う人々の“笑顔”を発信するメディアは、米子のまちの活性化を担う人々のあいだにネットワーク(つながり)をつくる役割も担っている。
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米子市中心市街地活性化協議会・タウンマネージャーの杉谷第士郎さん |
発行元である米子市中心市街地活性化協議会でタウンマネージャーをつとめ、「米子方式のまちづくり」と称される取り組みを進める杉谷第士郎さんは、発行の意図を次のように語る。
「米子では『なにかやりたい』『これはできるんじゃないか』と思っている人がいれば、とにかく進めてみることにしています。そうしてまちづくりに関わる人は、みんな立場も経歴も全然違うんです。そんなさまざまな方に、まちづくりという舞台のうえでつながっていただく。そのことをわかってもらいたい、というのが『よなご・かえる通信』のテーマでもあるんです」
たとえば2号では、10ページの誌面に総計50人を超える、新たなにまちづくりの拠点を担う人たちの写真とともに、その中核となる人々のインタビュー記事を掲載。その顔ぶれは多彩で、30代前半で市外出身の若手商業者や、老舗の家業を継ぐ経営者、NPOのメンバー、長年にわたってまちを見守り続けてきた70歳を超える商店街の元組合長など、世代や属する組織も異なる。
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株式会社スカイ代表である杉田真理子さんのインタビューとともに、その運営を担う若手スタッフのインタビューを掲載(2号3ページ) | 笑い庵の運営を担う老若男女総勢17名の方々の集合写真とともに、株式会社笑い庵の代表取締役住田済三郎さんのインタビューを掲載(2号8ページ) |
年齢や組織、エリアはもちろん、まちづくりへの関わり方や思いも異なる人々が誌面を媒介に一堂に会し、立場の異なる当事者たちが互いに「まちづくり」という共通のステージに立っていることを認識してもらう──それぞれの人が自 分の姿が掲載されているまちづくりの広報誌を口コミしてもらい、まちづくりへの機運を高めていくことはもちろん、「よなご・かえる通信」は、世代や立場の違いを超えてつながりを生み出す“場”でもあるのだ。
また1号では、当時中心市街地でセレクトショップを経営する山根大樹さんのインタビューとともに、中活協議会の会長であり米子商工会議所の会頭である坂口清太郎さんのメッセージが掲載されている。
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米子市に隣接する境港市出身で、現在はスカイビルでテナントを経営する山根さんのインタビュー記事(1号8ページ) | 中活協議会の会長である坂口清太郎さんのメッセージは、雨の降るまちなかで傘をさしたポートレートとともに掲載されている(1号10ページ) |
山根さんは、これから商売を始めようとする若者が憧れ、目標とする存在でもある。そんな山根さんのような人が「まちづくり」の広報誌に載ることで、それまでは関心のなかった若い人にも「まちづくり」が決して他人事ではないという印象を与えたいという期待も込められている。
次項 じつは米子のまちの写真集でもある |
目次 | |
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(1)多様なまちづくりのプレイヤーを一堂に |
(2)じつは米子のまちの写真集でもある | |
(3)大人も、子どもも、おじいちゃんも | |
(4)データ |
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関連リンク
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