研修・セミナー

第3回 まちづくりオープン会議 まちづくりを仕事にする~タウンマネージャー・まちづくり会社の仕事~(中編)~

タウンマネージャーの役割・必要性について part1

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タウンマネージャーの役割、タウンマネージャーに期待することは何?

加藤 タウンマネージャーの必要性について考えてきたわけではないが、自分自身は「調整役」と「パイプ役」になっていると思う。タウンマネージャーは、他人に愛される「人たらし」でなければならないのではないか。

石原 朝野さんが、府中市でタウンマネージャーとして原田さんに期待されたのも「調整役」ということか。

府中市中心市街地活性化協議会事務局・朝野弘行さん
府中市中心市街地活性化協議会事務局・朝野弘行さん

朝野 我々の一番の課題は、市民の方にもまちづくりに参加してもらうこと。基本計画にもとづいて個々の事業を実行するのは商工会議所や府中市、そして各民間の方になるが、そうした事業同士のコーディネートや調整は我々の不得意なこと。その専門家としての役割を原田さんにはお願いしている。

原田さんのおかげで、市民コミュニティ委員会の活動から若者のグループができたり、かつて府中にあった夜店を若者が復活させたり、NPO法人府中ノアンテナができたりした。タウンマネージャーとして大きな役割を果たしていただいている。

行政の計画に、市民を巻き込んでいくということ

石原 中心市街地活性化のもとになる基本計画は、役所や商工会議所が作ったものだ。しかしまちの人からしたら「そんな計画は知らない」というものかもしれない。そういう状況の中へ飛び込んで、まちの人を巻き込んで事業を進めていくのがタウンマネージャーの役割になるだろう。

他人が作った計画に「知らない人を巻き込んでいく」とは、どういうことなのか。

府中市中心市街地活性化協議会タウンマネージャー・原田弘子さん
府中市中心市街地活性化協議会タウンマネージャー・原田弘子さん

原田 府中市では、中心市街地活性化基本計画が既にあり、協議会も作られている状態でタウンマネージャーに就任したが、市民の方たちの反応は「中心市街地活性化基本計画ってなんのこと?」という感じだった。

中心市街地活性化基本計画には、上位計画として「都市マスタープラン」、そして「総合計画」がある。それらの計画から「まちがどうありたいか」という全体像を把握し、その全体像の中で設定されている中心市街地像を掴むことからタウンマネージャーの仕事はスタートすると思う。

府中では「ものづくり」と「教育」という二本柱を見つけるのがタウンマネージャーとしての最初の仕事だった。

その後、様々な人たちの利害を調整し、メリットのある人たちが事業をするような仕掛けをつくっている。「教育」と「ものづくり」を通じて住民が満足し、さらに住民が増えていくところまでを考えて、事業をコーディネートしている。

ヨソから来たタウンマネージャーの強みとは?

加藤 原田さんは、ヨソ者だからいろんな人が関わってきたのではないか。

原田 “ヨソ者タウンマネージャー”の一番の強みは「AさんがやるんだったらBさんはやらない」「Aさんには協力したくない一派がいる」といったことをまったく無視できることだと思う。

石原 知らずに無視するのと、知っていて知らんぷりするのとは違うし、どちらにしても度が過ぎると「空気が読めない」と言われて相手にしてもらえなくなることもあるだろう。小口さんはどうか。

小口 最初にまちへ入った時、「あの人は会わないほうがいいよ」「あの人は最初はやめとけ」という話はやはりあった。ただ、「せっかく僕はしがらみがありませんから」と突っ込んでいってコトが動いた面はある。

最近は地元の方に馴染んできて、ヨソ者としての扱いも受けなくなってきている。

石原 加藤さんは内の目も外の目も両方使える。非常に大事なことだが、悩むことはないか?

青森市新町商店街振興組合 副理事長・加藤博さん
青森市新町商店街振興組合 副理事長・加藤博さん

加藤 昔は「いい子になりたい」と思っていたので悩みがあった。しかしそれを諦めたら気持ちが楽になり、今は誰から何を言われても、誰に何を言っても平気。ただ、信念だけは変えたくないと思って行動している。

昔言われた、「まちづくりはヨソ者、若者、馬鹿者」という言葉はすごくよくわかる。今はそれにプラスして、女性──お客さまの目線で考えるような人がいないと、男社会だけでは偏りが出ると感じている。

石原 朝野さん、受け入れる側としては外から来た人に対していろいろな意見があるのではないか。

朝野 最初は、知らない人が行って話すということでビックリされたことはあると思うが、今では受け入れてもらっている。

タウンマネージャーの役割・必要性について part2

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人のつながりを広げるためには

石原 新しい地域に入っていく時、その地域のキーマンとの出会いは非常に大きい。一方でキーマンのコネを頼るだけでは偏りが出る。「人のつながり」を広げていくために、どういうことを意識されているか。

原田 キーマンにはすごくお世話になっている。一方で、一般の市民の人たちとはSNSサイト等を使ってつながりを広げている。NPO法人府中ノアンテナを設立するきっかけになったのはtwitterだった。

地元実業界とのつながりはキーマンを通して、若手のベンチャーの人たちとはSNSでというように方法を分けている。

小口 「飲みニケーション」は大きい。最近では「どれだけ夜のスケジュールが埋まっているか」を、仕事が充実しているかどうかの指標にしている。

多治見のキーマンはあまり敵がいない方なので、適切なアドバイスをいただけて人のつながりができている。個別の飲み会が増えていくので、夜も忙しいし、財布のなかも軽くなっていく(笑)。

石原 年齢層や人に応じていろいろなツールを使い分ける。昔は飲み会しかなかったが、ツールが広がってきていると思う。

実際に人が会って、その話題の中心を占めるのは、やはり「このまちをどうする?」ということと、「どういう事業をするか?」という具体的な活動ベースになると思う。府中では、原田さんにタウンマネージャーとして、どんなことから取り組んでもらったのか。

朝野 原田さんに最初に取り組んでいただいたのは、中心市街地活性化基本計画のメイン事業である「恋しき」という旅館の複合施設としてのリニューアル・オープンだった。これで、多くの方と出会うことができたはず。

原田 「恋しき」は、産業界の方とのお付き合いのとっかかりだった。

一方、一般の人たちを巻き込むとっかかりになったのは、いきなり乾杯から始める「まちづくり交流会」。これで裾野が広がったと思う。

朝野 原田さんから「乾杯から始めましょう」と言われて最初は驚いた。商工会議所が企画する場合は、集まってまず話を聞いた後に懇親会をやる。実際に、いきなり乾杯から始める交流会をやってみたところ、かなり盛り上がった。

石原 ワールドカフェのような手法も含め、参加していただいた方が「聞いて」帰るのではなく、「発言して」帰る。それによって「あの人はあんなことを考えているのか」とお互いがわかるというのが人を集める手法になっているのだろう。

まちづくり会社で事業をするための出資者の入れ替えから

多治見まちづくり株式会社 事業課長・小口英二さん
多治見まちづくり株式会社 事業課長・小口英二さん

小口 私の場合、着任した当初は「まちづくり会社なんてどうせダメだ」と言われていて、70名ほどの株主のなかには「出資金を使うな」という方もいらっしゃった。そのため最初にやったのは、株主さんに「事業をやりたいからお金を使わせてください」という話をして回ることだった。

「ダメだ」という人には出資金をお返しして、出資者の入れ替えをした。その結果、事業が動くようになった。

最初にやった事業は、多治見という土地柄から、地元の美濃焼を展示できる場所をつくろうということで、空き店舗を使ったギャラリーと、美濃焼でちゃんとした食事ができて陶芸体験もできるカフェの2店舗をオープンした。

加藤 減資しないで、出資の入れ替えしたのはすごい。

石原 「若いしヨソから来た奴だけど、やってくれるな」と信頼もしてもらえて、裾野が広がっていく循環が始まったということなのだろう。

チャプター3

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登録日 2012年3月07日(水曜)15:30

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