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第4回 まちづくりオープン会議 若者による具体的なまちづくり活動のプロセスと効果を知る、 若者とまちづくり活動について考える(Part2)

 


Part2では、Part1に引き続き、若手として、どのようにまちづくりに携わっているかについて、NPO法人東海道・吉原宿のスタッフで、富士市民活動センター・コミュニティf センター長・山田有希さんと、同じくNPOのスタッフとして「吉原バル」や「YWGP」実行委員長を務めている本間明日美さんによる取組紹介の内容をご紹介します。


富士市民活動センターコミュニティf センター長・山田有希さん

30代で中間支援センターのセンター長に

富士市民活動センターコミュニティf センター長・山田有希さん
富士市民活動センターコミュニティf センター長
山田有希さん

山田: 私は大学卒業後、ニュージーランドのバックパッカーズホテルで住み込みアルバイトをしながら英語を学び、その流れで韓国で働いた後、富士市に戻ってきたUターン組。海外にいることで、富士山の麓のまちという地元の良さを再認識することになった。帰国後はその情報発信に携わろうと思い、地域のフリーペーパーを制作している会社で働いた。

一旦体調を崩して子ども英会話講師に転職した後、求人誌でセンタースタッフの求人を見つけ、アルバイトからこの仕事をスタートし、2009年にNPOに就職、2011年11月に富士市民活動センターコミュニティfのセンター長に就任した。

同センターは指定管理団体として市民活動を支援する中間支援組織だが、明るく活動的な施設にしたいと考え、運営を行っている。市民の方にとって、「あそこに行くと何かができる」といったイメージを持ってもらえているという手応えを感じている。

30代の人間がこうした中間支援組織のリーダーを務めることは全国的にも珍しいと思う。この特色を活かし、“ポップに”市民による活動の背中を押すかたちで運営している。

市民活動を様々なかたちで支援する

富士市民活動センターコミュニティfの入り口
富士市民活動センターコミュニティfの入り口

山田: 市民活動とは個人から生まれた小さな気づきを出発点とした強い問題意識をもとに行われる自発的な活動で、“社会的課題を「ジブンゴト」化して自発的に解決していくこと”だと考えている。

市民活動団体では、そうした自分発信のプロジェクトが事業の柱となっていることが多い。そのため、活動の背景には熱いストーリーがある。個人的な思いから始まった活動が、社会の新たな仕組みをつくる。市民活動の独創性が、社会をリードすることがある。

しかし、市民活動は、思いばかりが先に立って、継続や自立が難しいことも多い。そこで、それが単なるボランティアで終わらず、ビジネス型の株式会社や一般社団法人、NPOのようなかたちで自立的・継続的に運営していくことのできるよう、設立・運営相談や助成金の案内といったかたちでバックアップを行い、現実に社会的課題を解決していく社会起業家を創出していくことが、センターの役割だと考えている。

また、何をしたらいいかわからないけど何かしたい、と相談にいらっしゃる方も多い。そうした方々には「できることから始めましょう」と案内をさせていただいている。自分がプレイヤーに回らなくても、共感する活動の情報を共有したり、facebookでつながったりするといったように、様々な支援のあり方をお知らせしている。

商店街のなかの中間支援センター

山田: センターでは開館から6年間で来館者数が10万人に達したが、そのうち7万人は東海道・吉原宿による指定管理が始まって以降3年間のもので、利用者数の劇的な増加を果たしている。また、センターの知名度向上のために導入した印刷機の利用実績は、4年間で印刷累計枚数100万枚に達した。5年間で80万枚が平均と言われるので、2倍近くの稼働率となっている。

富士市民活動センターコミュニティfの利用者数の推移。東海道・吉原宿が委託を受けた2008年から利用者数の増加が顕著
富士市民活動センターコミュニティfの利用者数の推移。
東海道・吉原宿が委託を受けた2008年から利用者数の増加が顕著

利用者数の増加は、受付スタッフが若く、親しみやすい雰囲気となっていることも大きいと思う。市民活動に興味のない方にも足を運んでもらえるよう、「吉原バル」「YWGP」等の受付を設けることによって、場所の認知をしていただくようにしている。

「バルに参加したい」という子育て支援をしているママさんの要望を受け、商店街で子どもを預かることのできる場所の情報の一元化等も行った。

協働事例も数多く生まれている。たとえば、「ふじやまピロシキプロジェクト」。富士市はロシアとゆかりがあるため、吉商本舗の生徒さんと県立吉原高校の生徒さんが、ロシア料理ピロシキをつくろうということになり、地元名物であるシラス等を入れた商品を共同開発した。地元商業者からも技術を提供していただいている。

商店街での国際交流として、ボーイスカウトならではのオリエンテーリングの仕組みで外国語を使って商店街を回ったりという持ち込みの企画も実施した。また、まち歩き団体の方に、休憩場所として使ってもらっている。

ふじやまピロシキプロジェクト 国際交流の様子
ふじやまピロシキプロジェクト(左)と国際交流の様子(右)

センターは商店街にある。商店街のイベントや伝統的な祭りに関わりながら、地域に愛されるようなセンターを目指している。何かをやりたいというイノベーターの方にとって、商店街というフィールドがあることは大きい。

これからも背中を押してあげるような支援、また夢が語れるような場の提供をしていきたい。まちづくりをしていきたいと願うプレイヤーを増やしていきたいと思う。

「吉原バル」「YWGP」実行委員長/静岡県はしご酒ネットワーク初代会長 本間明日美さん

大学時代から、NPOのまちづくりに関わる

「YWGP」のロゴ・フライヤー 「吉原バル」のロゴ
「YWGP(ヨシワラ・ワクワク・合コン・プロジェクト)」のロゴ・フライヤー(左)と
「吉原バル」のロゴ(右)

「吉原バル」「YWGP」実行委員長/静岡県はしご酒ネットワーク初代会長 本間明日美さん
「吉原バル」「YWGP」実行委員長
静岡県はしご酒ネットワーク初代会長
本間明日美さん

本間: 私は新潟出身で大学進学をきっかけに富士市に移住してきた。現在25歳で、大学卒業後、NPO法人東海道・吉原宿に就職した。2010年から始まった、大規模合コン「YWGP(ヨシワラ・ワクワク・合コンプロジェクト)」や「吉原バル」の実行委員長を務めている。

大学時代は4年間にわたって大学祭の実行委員会に関わり、実行委員長を2度務めた。3年生の時、現・NPO理事の小林紗依さん、そして代表の佐野さんに出会った。2007年3月、小林さんが実行委員長を務めた「フジヤマフェスタ」というイベントにスタッフとして誘われたのがNPOに関わるきっかけになった。

この時、大学生の女の子がこんな大きなイベントを実現できる、ということに感銘を受けた。以来、イベントスタッフや店番として活動に関わるようになった。

それまで社会人とお酒を飲むような機会はほとんどなかったが、NPOのメンバーが開く飲み会によく声をかけてもらうようになり、関係する大人の方といろいろ話をする機会を得た。アルバイトだと雇用の上で立場の違いがあるが、NPOでは人間関係がフラットなので、そうした場で人生の先輩から話を聞くことのできることが楽しいと思うようになった。

そして、大学4年時に、指定管理がとれるということで、新事業のスタッフとして雇い入れていただいた。

大学の友人は一般企業に就職活動をしていたし、自分も会社見学をしていたがピンと来るものがなかった。そんななかで誘っていただいたのは運命だと思って飛び込んだ。

「素敵なお店があること」を伝えたいという思いから始まった「YWGP」「吉原バル」

本間: 一スタッフとして関わっていた頃から、新たなプロジェクトを立ち上げてみたいと思っていた。ある時、インターネットでまちなかの大規模合コンに関するニュース記事を読んだことがきっかけとなり、自分が呼びかけ人となって「YWGP(ヨシワラ・ワクワク・合コン・プロジェクト)」という企画を立ち上げることになった。

2010年2月にスタートし、2012年まで9回実施してきた同イベントは、第1回目は5店舗で男性75名、女性75名の150名の枠で開催した。商店街の飲食店5軒を自由に行き来し、出会いとはしご酒を楽しむ。応募条件は20歳以上であることのみ。異性との出会いだけでなく、人と人の交流の場になればと考え、年齢上限もない。

現在は、12店舗、男女とも150名ずつの計300名(2013年2月は400名)で実施している。累計でこれまでに2450名の方に参加をいただいたことになる。これだけ沢山の方が吉原の商店街に来て、私の大好きなお店を知ってもらえることをとても嬉しく思う。

YWGP参加店舗の店内
YWGP参加店舗の店内

同イベントの立ち上げ時、お店に相談に行くと「最近の若者は飲みに出歩かない」と聞かされた。そこで、「飲むことの楽しさや商店街に素敵なお店があることを自分が伝えればいい」と思い、より一層やる気になった。記事で読んだ宇都宮の「宮コン」を一人で視察に行き、飲み歩いて、いろんな方とお知り合いにもなれた。

YWGPではグループになって話せる広めのお店を選ばせていただいているが、狭いお店でも参加いただけるよう開催することになったのが「吉原バル」。発祥の地である函館のバルも視察に行かせてもらい、みんなが気持ちよく酔っ払える場を提供していることが印象的だった。

吉原バルは、お子さん連れのご家族からご年配のカップルまで、幅広い方に参加していただけるイベント。より一層、吉原のまちをいろんな方に見ていただく機会だと思っている。

最後まで責任を持ってやらせてもらえる“やり甲斐”が原動力

本間: 学生時代、NPOに出会った頃は同世代がイベントを行っているのをサポートする立場として関わっていたが、就職して1年も経っていない頃に、自分が中心となった企画をやらせてもらうことになった。

NPO代表の佐野さんをはじめ、飲みながら「そんなにやりたいなら、やっちゃえばいいじゃん」と背中を押してもらい、最後まで責任を持ってやらせてもらえる環境は有り難い。

たとえば、「吉原バル」では、私が参加店を選ばせてもらっている。スタート時は20店舗、現在は30店舗程度だが、お店のクオリティには自信がある。

他のまちで、たとえば商工会議所等が主催者となる場合は、参加希望店はすべて参加できるシステムになっている。それではイベント自体のクオリティをキープするのが難しくなると考え、このようなシステムとさせてもらった。

バルは県内初だったが、以後、ブームとなり県内13ヶ所で行われている。また、第2回目の吉原バル開催時は、静岡県はしご酒サミットを同時開催した。情報交換のためのはしご酒サミットネットワークをつくった。その初代会長を務めさせてもらっている。

バルも大規模合コンも1回やったからといって、リピーターが生まれる確率は高くない。イベント時は来るけど、それ以外だと行かない、という方が多い。より多くの方に、吉原の商店街の魅力を伝えるため、継続させないと意味がない。これからも楽しんで続けていきたいと思っている。

“飲みにケーション”は素晴らしい。NPOで毎年開催する忘年会への参加者が、年々増えている。これからも飲み会の回数を増やしながら、会員数も増やしていきたいと思っている。

Part3に続きます

 

 

登録日 2013年2月08日(金曜)00:00

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