コラム・事例紹介

第23回 まちづくりコラム 「中心市街地の再生はコミュニティに依拠することが大切」 西郷 真理子

西郷 真理子

西郷 真理子(さいごう・まりこ)

(株)まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表
コミュニティデザイナー/一級建築士/東京大学大学院工学系研究科非常勤講師。都市計画家、建築家という専門の職能を総合的に捉えコミュニティに依拠したまちづくりを進める。(株)まちづくりカンパニー・シープネットワークを設立し代表取締役。高松丸亀町商店街A街区再開発事業・B/C街区小規模連鎖型再開発のコンサルタント業務、建築設計・監理、タウンマネージメントプログラム構築事業等に携わる。山口市の商店街活性化戦略プログラム、長浜市の基本計画、沼津市等各地のまちづくりを支援。国土交通省、経済産業省、総務省が主導する委員会の委員。

都市には中心が必要である

都市には、市民が誇りに思い、集まることのできる中心が不可欠である。都市生活をエンジョイするとともに、市民が自治体を営むために不可欠である。もともと都市に中心があるということは、都市のもっとも重要な構造上の特徴である。アメリカのダウンタウン、ヨーロッパの都市の広場(市が開かれ、教会、タウンホール、ギルドホールなどが面している)がそれである。それぞれの都市がそれぞれの魅力的な中心を誇り、外からの人を魅きつける。対して、わが国の地方都市の中心部は、必ずしも魅力的であるとはいえない。
しかし、昔から魅力を欠いていたのではない。
例えば、高松市の中心市街地で、現在再開発に取り組んでいる丸亀町商店街は、400年間にわたり高松市の中心街であった。ところが、郊外に大型店が出店したことにより、投資が減少し、魅力を失っていった。一方、人口の減少・高齢化の中で、郊外では空家の増加が目立つようになった。今や、中心市街地も郊外も両方が衰退しはじめたのである(四国新聞連載「まちのかたち」から)。これは高松だけでなく、全国共通の問題である。栄えているのは、駐車場に囲まれたショッピングセンターの中だけで、公共空間が解体していく。公共空間の衰退・解体は、社会を支えるコミュニティそのものの解体に重なる。

 

中心市街地の再生はコミュニティに依拠することが大切

中心市街地が重要だとして、その再生をどのように進めるのか。私は、コミュニティの構成員である住民が中心になって計画し、さらにその事業を担っていくことによってこそ成功すると考えている。そのためには3つのポイントが重要である。

 

 1.まちのイメージを共有し、美しい街並みをつくる

まず、地域社会の主体である市民が、そのまちのイメージを共有化し、まち・都市像を結んでいくためのシステムをつくりあげていかなければならない。
わが国で既成市街地の整備が困難なのは、権利が複雑に錯綜し、それらを整理して大掛かりな開発を行うことが困難であったためと言われる。しかし、美しい町並みとは、沢山の建物が協調し合って出来上がるものである。問題は、個々の住民が美しい町並みをつくることに適確に参加できるかどうかである。そのためには、住民がまちについての共通のイメージを結び、まちづくりの主体として能力を発揮することが不可欠である。
川越では、まちづくり規範に合意して、まちなみ委員会で協議運営している。まちづくり規範は伝統的建造物群保存地区の基準のもとにもなっている。高松丸亀町では、A街区市街地再開発事業において、都市再生特別地区の手続きをして、街並み型の都市計画を決定した。それを受けて、現在は丸亀町商店街全体でデザインコードを立案し、それをいかす地区計画を立案準備中である。

 

 2. コミュニティが主体となって都市再生を進める

住民市民には、ディベロッパーになる能力がある。米国でのダウンタウン再生では、住民にもっとも身近な政府である自治体が、自らの意志によって、自らの権限を行使するための計画および規制を決め実行している。このような社会では、まちづくりは市民参加といった位層を超え、まさにコミュニティ・コントロールとセルフ・ヘルプがキーワードとなる。それを実行する組織がNPOであるコミュニティに根ざしたディベロッパー(Community Based Developer)である。その活動は20年以上の実績をもち、成功例も多い。
長浜では(最近はとても有名であるが)黒壁株式会社が市民ディベロッパーとして活躍をしている。高松では、まちづくり会社が本格的なエリア・マネージメントを行うために、タウン・マネージメント・プログラムを作成、実行する。
また、まちづくりはプロセスが重要であり、プロセスをプランニングする必要がある。

 

 3. 事業スキームを工夫する

地方都市においては、土地費を事業費に顕在化させないこと、適正規模の再開発を成立させるための仕組みが必要である。高松丸亀町では、土地の所有と利用を分離するような市街地再開発事業のスキームとした。土地の所有はそのままにして、建物は、まちづくり会社(コミュニティディペロッパー)が所有する仕組みである。権利調整の難しさを、住民自らが主役になることによって克服する工夫をしている。長浜では、三セク黒壁株式会社が、空地空き店舗を購入したり、借り上げたりしながら、活性化のための様々な事業を行っている。

登録日 2009年3月24日(火曜)14:59

ログイン

新規会員登録はこちら

メールマガジン配信内容募集中

マチイベ!(街のイベント)募集

-中心市街地活性化-まちづくり-サイト内検索

-中心市街地活性化-まちづくり-もっと詳しく検索する

好きなまちで挑戦し続ける

街元気パンフレット

街元気サイトツイッター

街元気facebook

  • -中心市街地活性化-まちづくり-経済産業省
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中小企業基盤整備機構
  • -中心市街地活性化-まちづくり-全国商店街支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中心市街地活性化協議会 支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト