コラム・事例紹介

第41回 まちづくりコラム 「最近読んだ、人にお勧めしたい本」 加藤 博

加藤 博

加藤 博(かとう・ひろし)

昭和24年生まれ。青森県西津軽郡深浦町出身。明治大学農学部卒業。
「この土地は、先祖からもらった物ではない、子孫から借り受けているのだ。」を心の拠り所に、毎月40回以上の会議に出席する。全てが「まちづくり」に関するものばかりで、これらが「天命」とも思っている。 青森市新町商店街振興組合副理事長、青森商工会議所常議員、青森市中心市街地活性化協議会副会長、(有)PMO(パサージュ・マネージメント・オフィス)代表取締役社長 他役職多数 。

特に読書好きというわけではありませんが、仕事柄飛行機や電車で出張することが多いため、やはり「まちづくり」に関する本はよく読みます。10年ほど前に読んだ本を読み直して改めて感心したものも含め、最近読んで感銘を受けた本をご紹介したいと思います。

『都市はよみがえるか──地域商業とまちづくり』(矢作弘著、岩波書店・1997年)

12年ほど前、まちづくり・商店街活性化運動が苦しくなり、挫折しかけていた私を叱咤激励、再度「まちづくり」へ眼を覚ましてくれた大事な本です。

コンパクトシティの魅力・重要性と、循環型システムで動くストック重視型の地方都市を構築することがサスティナビリティを保証することを説いたこの本では、歴史的に形成されてきたモノ──商店街、町並み景観、中心街区の都市インフラ──を基盤に地域を計画し、地域の企業・文化・技術を活かして市民参加の仕組みを育てながら、環境との調和を配慮して開発を考えることの大切さが説かれています。

空洞化する地方都市、衰退する商店街をどう活性化するかについて、日本や米国の事例を通してわかりやすく解説されています。

『中心市街地の成功方程式』(細野助博著、時事通信社・2007年)

少し肩の力を抜いて、気分転換も兼ねて読める1冊です。

著者の実体験・実地調査とデータ分析を基に、現在大半が疲弊している中心市街地や商店街が生き残り、成功するためのヒントが数多く記されています。メガモール時代がそう長くは続かないこと、少子高齢社会のいっそうの進展から、地域社会は車に必ずしも依存しない「まちづくり」が必要であり、それにぴったりの役割が「近隣商店街」にあると予想します。

一度衰退した商店街の再生は極めて難しく、どうすれば衰退一歩手前で踏ん張り、生き残れるのか、郊外のショッピングセンターに負けないくらいの生命力を持ち続けられるか、そのヒントを教えてくれると思います。

『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著、あさ出版・2008年)

帯にもある通り「人生と仕事観を変える本」。新幹線の中で人目をはばからず泣いてしまいました。

多くの中小企業は、他力本願・被害者意識に凝り固まり、「景気や政策が悪い」「業種・業態が悪い」「規模が小さい」「ロケーションが悪い」「大企業・大型店が悪い」と五つの言い訳をするところが多いこと、逆に、真に社員やその家族、下請け企業や顧客等の幸福を考え、追求している企業こそ業績が良いことを教えてくれます。

日本の中小企業の中にはまだまだ大切にしたいと思う会社があることを知らされ、改めて働くこと・働けることに感謝する気持ちになります。

『デフレの正体』(藻谷浩介著、角川書店・2010年)

ご存知、藻谷浩介氏(日本政策投資銀行)が「景気さえ良くなれば大丈夫」という妄想が日本をダメにした!と鋭く説いてくれます。

統計データが使われていますが、「好景気下でも内需縮小が延々と続く」「生産性向上努力がGDPのさらなる縮小を招く」「マクロ政策では不可能なインフレ誘導とデフレ退治」「日本の生き残りはモノづくりにかかっているという誤解」といった小気味いい章立てにそって、すいすい読むことができます。

『駅・復権!──JR岩見沢複合駅舎誕生とまち再生への軌跡』(岩見沢複合駅舎完成記念誌製作委員会・2010年)

2000年12月の漏電による駅舎全焼から2007年の新駅舎完成まで、市民・建築家・行政・JRの協働によって成し遂げられたまち再生の物語が綴られた1冊。

自動車が増え便利になっても昔からまちの歩みを見守ってきた貴重な存在であった駅舎。その焼失というショッキングな出来事から時間を掛けて立ち直り、再建を果たし、グッドデザイン大賞を獲得するに至った経緯を、建設に参加した市民、設計者や工事関係者などの寄稿をもとにまとめた、真実であるがゆえの感動が溢れるドラマです。

駅を舞台にした人と人との関わりから生まれる感謝の気持ち、感謝の気持ちにあふれた市民が参加してできた新しい施設が、温もりや感動を生む場になり利用者に愛される存在になる──これはまさに「まちづくり運動」です。

「モノ」ではなく、その結果として巻き起こった「コト」の価値を伝えられるかどうか、デザインという言葉には「コト」にこそその本来の意義があることを伝えている本で、一番最近読み感動した本です。 (一般の書店では販売されていないようですが、レンガプロジェクトのwebサイトで購入することができます)

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登録日 2011年2月01日(火曜)00:00

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