コラム・事例紹介

第45回 まちづくりコラム 「商店街を盛り上げる情報発信」その1 逆井 健

逆井 健

逆井 健(さかさい・けん) 山口県 下関市

グリーンモール商店街振興組合事務局長、商店街活性化アドバイザー
タウン情報誌編集長、コンビニストア経営、観光コンベンション協会青年部事務局長などの地域づくり活動の経験を活かして、平成21年にグリーンモール商店街振興組合を設立。現在、同組合の事務局長として、商店街内外への情報発信、イベント開催等の活動をする一方、FMアクア及びFM北九州のパーソナリティ(週5番組、計10時間を担当)も務めている。

下関駅前商店街『グリーンモール』の栄枯盛衰

私が担当している山口県下関市の駅前商店街『グリーンモール』は、韓国風焼肉店や韓国料理店・韓国食材店等が集積する日本の中の韓国、下関の『リトル・プサン』をテーマに掲げて、現在、活性化に取り組んでいます。

組合員は64店舗、またグリーンモールエリアとして周囲から認知されているエリア全体では100店舗ほどの商店が軒を並べるほぼ一本筋の商店街です。

戦後の闇市から発展して商業集積地となり、一時は下関の台所と言われました。無秩序な商業集積の様子が下関の駅前地区にふさわしくないということになり下関市が大規模な投資をして再開発をし、現在のような、商店街の両側に住宅ビルが建ち並び、買物公園通りと言われる緑地帯を持った遊歩道のある商店街に生まれ変わりました。

しかしながら、その直後に、隣接の下関駅前に地元の資本で大型ショッピングセンターが開業。ご多分に漏れず、グリーンモールは一気に衰退しました。

その後、韓国との定期フェリーターミナルのお膝元の商店街で韓国とのパイプが太いことが功を奏して、第一次韓国ブームでは、家電品等の韓国輸出の恩恵を受けたり、韓国からの輸入服飾品の店を中心に未曾有の賑わいを見せました。

これが終息して低迷した頃に、日韓ワールドカップ共催などの第2次韓国ブームになり、下関での日韓交流の先進地として行政のてこいれなどを得て、韓国をテーマにした『リトルプサンフェスタ』という大型の活性化イベントが始まりました。商店街と自治会が一緒になった自治繁栄会がこれを主催して、10回目となった2010年には来場者5万人を数えるまでに定着させました。

しかしながら、商店街の役員だけでは年に1度のイベント開催が精一杯で、さらに活性化を推進するには、日常的、恒常的な商店街活性化に取り組む専任のスタッフが必要という事になり、2009年に、それまでのグリーンモール自治繁栄会を発展的に改組して『グリーンモール商店街振興組合』を設立しました。

法人化した事で、様々な助成制度も有効に活用できる様になり、まずは人材を投入するための助成金を獲得し、私が活性化の推進役として事務局長を拝命することになりました。

このように時代の状況に応じて幾度かの栄枯盛衰があった商店街なので、それぞれの事業者には、それなりの過去の実績や経験、プライドもあり、また同時に、現在の右肩下がりの状況に何かの手を打ちたいが即応できない状況で忸怩たる思いを抱えているというのが現状です。

手始めに、お知らせとしての『商店街ニュース』の効果

グリーンモール最大のイベント『リトルプサンフェスタ』の手伝いから始まった私の商店街との付き合いでしたが、その後、イベントの企画会議に呼ばれ、次に商店街の理事会に呼ばれ、次に活性化のプランニングをお手伝いするうちに、気がつけば法人化や活性化策の積極的な展開による商店街の運営方針を示す立場にまでなりました。

結果的に、振興組合を立ち上げその事務局に座ることで、正式にグリーンモールの活性化事業を推進する立場になったのですが、もともと私はグリーンモールの人間ではありません。この商店街での事業展開もしたことはないし、知っているのは役員さんと、買物やイベント等で関係のある数名のお店の方だけでした。

そんな状況の中で、いきなり『活性化しましょう』、『お店をこうしましょう』と言っていっても無駄なことは分かっていますので、そこで一計を案じたのが『グリーンモールニュース』でした。

大学生協時代の組合活動や、タウン情報誌・ラジオ局、コンビニ経営などの経験から、まずは商店街の組合員への情報の浸透や活性化への啓蒙を『お知らせ』という形で、一律に配布・提示して、そこからつながりをつくっていこうという事にしました。

A4判の1枚で、モノクロ、片面。パソコンで文書をつくり、事務所のコピー機で印刷して、組合員の店舗を含む、一帯の事業者全てに、事務局スタッフが直接配布します。

内容は、季節の挨拶から、理事会の報告、組合事業のお知らせ、セミナーや事業関連講習会の案内、商店街がメディアに登場する案内、さらには事務局員が気がついたアイディアまで。

発行ペースは厳密に決めてはいませんが、必要だと思う時に発行していたら結果的に月に2号程度、つまり2週間に一回のペースで出していました。さらに、組合員さんへの臨時の告知ものや商店街活動にからんだアンケート、市報の配布や組合費の回収などを加えると、結果的に、商店街の事務局スタッフが、なんらかの用事で、1週間に1度以上は各店舗に顔を出す事になりました。

ニュースは、忙しそうだったら見える様に置いてくればいいし、お店が閉まっていたら扉から入れておいてもいいというぐらいのゆるゆるな配布ですし、そもそもA4判のモノクロだけで8~9ポイントの文字がびっしり書いてあるニュースなんて、高齢で、しかも我流で固まった事業者の方々は読まないだろうと思っていました。それでも、各店舗に顔を出すツールになるぐらいでいいかということで。実際に、配りに行った事務局のスタッフは、ここぞとばかりに色々な事を聞いて(聞かされて)帰ってきていましたし。

ところがある日、事務局に血相を変えて飛び込んできた店主さんがあって『うちの店にニュースが入ってなかった。どうなってるんだ』と。さらに、別の日、商店街の中をうろうろしていると、『事務局長さん、この前、やるかもっていっていた催しはどうするの?』とか『事務の求人のお知らせが書いてあったよね』とお声がかかりました。

意外にも(といったら失礼ですけど)商店街のニュースってしっかり見られていて、しかも細かいところまできちんと読まれてました。

 

その2に続きます

関連リンク

グリーンモール商店街振興組合

 

登録日 2011年2月24日(木曜)00:00

ログイン

新規会員登録はこちら

メールマガジン配信内容募集中

マチイベ!(街のイベント)募集

-中心市街地活性化-まちづくり-サイト内検索

-中心市街地活性化-まちづくり-もっと詳しく検索する

好きなまちで挑戦し続ける

街元気パンフレット

街元気サイトツイッター

街元気facebook

  • -中心市街地活性化-まちづくり-経済産業省
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中小企業基盤整備機構
  • -中心市街地活性化-まちづくり-全国商店街支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-中心市街地活性化協議会 支援センター
  • -中心市街地活性化-まちづくり-J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト