コラム・事例紹介

あおもり学生プロジェクトクリエイト「高校生カフェの運営」について

  • まちづくりのための若者連携ヒント集

    登録日 2014年03月10日
    カテゴリー取組事例集

     あおもり学生プロジェクトクリエイトは高校生の自由な発想で地域を活性化できる施策を考え、実行する高校生団体(任意団体)です。平成21年4月に設立され、丸5年を迎えようとしております。高校生が青森県内、とりわけ青森市中心商店街区と新青森駅の活性化を目指し、地域の方々や有識者で構成された「地域サポーター(招聘)」から適宜、助言を頂きながら、地域と連携した様々な活動を展開しています。特に高校生カフェは、各メディアでも取り上げられるなど、全国的に注目度の高い活動のひとつです。
     理事長の久保田さんは、立ち上げ当初から活動に参画されています。1年間、大学を休学して専属的に活動を実践するなど、青森を離れた今でも精力的に活動を進めています。

まちづくりに取り組んだきっかけとは何でしょうか?

 中学生の時、友人5人とミニFMラジオ局(以下、ミニFM)を立ち上げたことがきっかけです。ミニFMとは、今でいうところの“インターネットラジオ”のようなものであり、友人とコンテンツの企画を練り、番組を制作しました。ミニFMといっても、トランスミッターやミキサーを使用するなど本格的でした。中学卒業後も活動を継続していましたが、機器の買い替えが必要になっても、収入の無い学生が高価な機器を購入できるはずもありません。ちょうどタイミング良く、トヨタ財団の地域社会プログラムユース助成を見つけ、「メディア地域再発掘プロジェクト」という企画を応募しました。地域コミュニティの形成ならびに地域資源の再発掘に向けたミニFMラジオ局の活用と、観光情報を提供するホームページの立ち上げを提案したものだったのですが、採択され、機器の買い替えと合わせて活動をスタートしました。
 また活動を継続して実施するには拠点も必要です。市役所に相談したところ、「新町商店街振興組合を訪ねてみてはどうか?」とアドバイスされました。ここでもタイミング良く、「この4月にオープンする会議室があるからそこを間借りしてはどうか」と配慮して頂き、拠点を設けることができました。
 きっかけは趣味でしたが、徐々にまちづくりへとスライドしていったというのが振り返ったいまの印象でしょうか。現在、20名近くの学生が活動に取り組んでいます。中には、地域活性化に対して強烈な問題意識を持っている人もいます。

高校生カフェの様子①

高校生カフェの様子①

具体的にどのような活動をされているのですか?

 高校生カフェをコアの活動として、その他の活動はプロジェクト単位で実施しています。高校生カフェの中心メンバーはおよそ7名、高校生がコーヒーをいれるのはもちろんのこと、カフェの経営も行います。ただ、活動当初はコーヒーのことも経営のことも当然ながら全て素人でした。そのため、商店街のお店の熟練された技術を教えてもらわなければなりませんでした。おおはしコーヒーから美味しいコーヒーの淹れ方を、喫茶のパティスリー&カフェ チャンドラや宝石屋のPADOUからは接客の技術を教えて頂きました。  また、高校生カフェでは、コーヒーとケーキ、それにパンを提供しています。パンは青森県産米を使ったパンを同じ青森のベーカリーから仕入れ、カフェで提供しています。高校生はどの程度のパンが出るかを事前に予想、発注しており、利益を上げ、きちんと経営するためにも発注は真剣そのものです。

コーヒーの淹れ方研修ホールマナー研修

出所)ABCのこれまでhttp://www.aocre.com/cafe2013/history.html

高校生に接する上で大切なこととは?高校生のモチベーション維持とは?

 “高校生カフェに参加すれば、こういったことができる”という価値を提供しなければなりません。価値と言ってもアルバイトではありませんし、アルバイト代を支払うことを前提として事業を組み立ててはいませんので、提供する価値はお金以外となります。また、アルバイト代を支払うことで学校からの協力も得にくくなります。いま提供できる最も大きな価値とは、机上では知り得なかった、体験を通じた学びが一番の価値と思います。また、定期的に交流会などを開催して、参加者間の交流を促進するような“還元”も行っています。
 ただ、高校生は、勉学や部活動もあり、十分な時間を確保することがなかなかできないのが実状です。そのため、急に活動に参加できなくなる生徒がいたり、資材の発注が遅れたりすることもしばしばあります。その結果、関係者の方に迷惑をかけることもあります。しかし、高校生もその失敗から学び、改善を図り、失敗を成功に変え、喜びを得るようになります。失敗から学ぶことの有用さをきちんと参加者に伝えることが大切と考えます。

高校生カフェの様子②

高校生カフェの様子②

取組を実施する上での課題や辛かった点とは?

 当初から予想されていましたが、やはりお金と人材です。高校生が1人活動を辞退すれば、その分、他のメンバーの負担が増します。短期的には問題が表面化することはあまり無いのですが、長期化することによって事業そのものが負のスパイラルに入ってしまう可能性があります。
 また、高校生が運営するカフェであるため、営業時間は土日および祝日に限定されてしまいます。また、席数も15席程度ですので、キャパシティの問題もあります。売上を確保するには、この点が課題となります。
 なお、1つの事業に複数の助成事業を活用することができないことは後になってわかりました。これは良い勉強になりました。計画段階から想定される課題の洗い出し、厳し目の予算管理を行っておけば良かったと思っています。さらに、お金との接点を増やし、収益源を多様化することの必要性は理解していましたが、収支決算の監査なども含め、もらう側の体制も予めきちんと整備すべきであったと思います。結果的に管理コストが掛かってしまいますので、その点の工夫も必要であったと思います。

高校生カフェの様子③

高校生カフェの様子③

今後の仕掛けは?

 来年度から、「クリエイトまち塾」という通年型プログラムを開講します。「クリエイトまち塾」では、これまでの実践活動に加えて、若者がまちづくりについて学ぶ機会を提供するだけでなく、デザインやリーダー論、プレゼンテーション技術など様々なことを学ぶ機会を提供していきたいと考えています。また、同時にワークショップを行い、座学で得た課題の深堀りも行います。これだけ幅広い分野のコンテンツを提供しますので、広告代理店や高校教員など現場の第一線で活躍されている社会人の方を講師にお招きし、より実践に近い活動を推進していきたいと思っています。最終的には、まちづくりを通じた教育プログラムのひとつになりうるのではないかと考えています。
 また、これからも商店街との関わりを重視した活動を進めていきたいです。具体的には、例えば、学生6人1組を1クラスとし、担任として商店主の方に入ってもらい、学生が普段から商店主の方と接する機会を増やします。以前、「良い人格形成には、良いお父さん、良い先生、良い近所のおじさんが大切」という話を聞きました。地域社会の関係性が希薄になる中、「良い近所のおじさん」の存在が失われつつありますが、この存在を商店主に担って頂こうと思います。クラス担任は負担が大きく、実際にスタートするにはハードルも高いですが、近い将来実現できればと思っています。

高校生カフェの様子④

高校生カフェの様子④

学生を活用した取組を新しく始める方へのアドバイスとは?

 何でも「行動する力」が大切です。事業を行うには、もちろん相応のリスクはありますし、不安もあります。それでも行動し、その行動によって仲間も増え、何とか事業として進めることができました。
 また、不安を取り除くことができるのは商店主の方々です。高校生カフェの場合、コーヒーの入れ方を教えてくれる方、接客を教えてくれる方、いろんな方に本当にお世話になりました。何かを通じてまちづくりを行うからこそ、同じ目線に立って、一緒に行動してくれる商店主を見つけることが大切だと実感しています。逆に、若い力があることは商店主の力にもなれる部分があると思います。実際、取り上げられた新聞記事でも「高校生も頑張っているのだから、自分たちも頑張らないといけない」というコメントがありました。今後は、商店主の方とさらに向き合って、楽しいまちづくりを進めていけたらと思っています。

高校生カフェの様子⑤

高校生カフェの様子⑤

関連リンク

高校生がつくる青森のカフェ「高校生カフェABC」

登録日 2014年3月12日(水曜)00:18

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