コラム・事例紹介

第62回 まちづくりコラム 岩村田商店街の「佐久っ子ワオンカード事業」(後編)阿部眞一

阿部 眞一

阿部 眞一(あべ・しんいち)

岩村田本町商店街振興組合 理事長
平成14年、同組合理事長就任後、地産地消・手作りをポリシーとする総菜販売施設「おかず市場」や、チャレンジショップ「本町手仕事村」、商店街直営塾「岩村田寺子屋塾」などを商店街独自で開設。当初、商店街には42店舗中15店舗の空き店舗があったが、事業推進の結果、すべての空き店舗の解消に成功。補助金や行政に頼らないまちづくりのモデルとして全国から注目を浴び、平成22年度「にっけい子育て支援大賞(日経新聞社)」、平成23年度「あしたの町、くらしづくり活動賞・内閣総理大臣賞(あしたの日本を創る協会他)」受賞。

3、「子育て支援」を商店街活性化の柱に

子育て村一周年  平成19年3月、活性化構想に基づくソフト事業「子育て支援」を展開。18歳未満の子供を持つ世帯なら無料で入会できる「子育て村」会員制度を発足。1年に13~15の子育てイベントを開催、その中で、各回、必ずアンケートを実施。活性化構想にもとづいて企画した、様々な事業を提起し、都度、アンケートでその事業の有効性を判断し、賛同の多い事業を厳選して実施する仕組みとった。

 平成21年1月、そのアンケートから商店街直営の学習塾「岩村田寺子屋塾」開設、平成22年3月には、やはり、会員の声に応えた託児とサロンをかねた「子育ておたすけ村」を開設。また、同年安全安心の街を実現すべく、防犯カメラ、省エネのための防犯灯、アーケードダウンライトをLED化。

全国初 商店街直営 「岩村田寺子屋塾」託児機能を備えた「子育てお助け村」
全国初 商店街直営「岩村寺子屋塾」 託児機能を備えた「子育てお助け村」

これらの、子育て支援活動が認められ、平成22年には「にっけい子育て支援大賞」を受賞した。

4、地域商店街活性化法の第一次認定を受け、佐久っ子ワオンカード事業開始へ

 これまで温めてあった、「岩村田地区活性化構想」をもとに、平成21年地域商店街活性化法に基づく活性化計画事業を経済産業省に提出。第一次認定(全国19か所)を受けた。これは5カ年計画の中の3年間助成を受けられる制度。この認定を受けたことで、地元自治体の佐久市も助成金を交付。なんと5/6の助成を受けてこれらの事業を推進することができたのである。認定事業は以下の通り。

  1. 地域電子マネー「佐久っ子ワオンカード」、
  2. 地域ブランド創成事業「青春食堂」、
  3. 地元の高校3校と商学連携した、「高校生チャレンジショップ」、
  4. 地域に商店街を川柳で応援してもらう「頑張れ商店街川柳77選事業」
  5. 将来の商店街を担う「若手育成研修事業」。

 特に、「佐久っ子ワオンカード」事業は、組合としては大英断であったといって良い。これまで、イオンの進出によって、完膚なきまでに叩きのめされたのは、まぎれもなく、「わが岩村田商店街」。あの大手進出がなければ、イオンが来なければ・・と敵愾心をあらわにする組合員がいたのも事実。しかし、現実を直視した時に「イオンには月間55万人」の一言が、我々を突き動かしたのである。売り場面積でも、品ぞろえでも、集客力でも大きく水を放された商店街。意地とか、プライドとか、お客様には関係のないこと。お客様に「岩村田に来てもらう」ことこそが、これから我々が生き残っていくための第一条件である、ということなのだと、考えるに至ったのだ。

 また、地域電子マネーの導入を考えた時、思い浮かんだのは suica, nanaco, waon まだまだ、この佐久の地では電子マネーに対する意識は低く、JRもローカル線のため、suicaは普及していない。そこで、考えた時、目の前に「waon」があるということに気付いた。すると、必然的に「イオン」との連携を考えねばならない。私は、これまでに培ってきた人脈を駆使して、当時、電子マネー事業部のトップであった、イオンの「梅本氏」とお会いすることにした。

 お会いして感じたのは「イオンも地域貢献がしたい」という思いであった。当組合の「共に生きる、働く、暮らす」という理念と相通じるものがあり、「是非協力してやりましょう」ということで、提携は即決。

 そして、この電子マネーカードの名前を「佐久っ子 ワオンカード」と呼ぶことにした。佐久っ子としたのは、この佐久の将来を担う子供たちが『佐久っ子』。佐久エリア一円に普及させ、佐久地域の電子マネーにしたい想いからであった。

 佐久っ子ワオンカードはこれまでの電子マネーとは異なり、1枚で2種類のポイントを貯めることができる。つまり、イオンのポイントであるwaon ポイント(お買い物200円で1ポイント)と商店街のポイントである 佐久っ子ポイント(105円で1ポイント)の2種類が貯められる。

 また、商店街直営の岩村田寺子屋塾では塾生の会員証として活用しているが、塾の行き帰りに、端末にカードをかざすと保護者の携帯にメールが飛ぶという機能を用いている。このカードはあと18種類の機能を持たせることができる、すぐれものなのである。加盟各店舗では、独自のポイントカードとして活用しているほか、今後、行政との連携のなか、図書館の貸し出しカードや、病院の診察券、各種会員制クラブの会員証としてなど、様々な用途に活用することができる多機能カードになるのである。だから、いろいろな事業所に加盟店になってもらって、ポイントを発行していただき、そのポイントがこの佐久地域のなかで、流通する仕組みにしていきたい。まさしく「地域マネー」として活用すべく。行政をはじめ、多方面に働きかけを行っている。

 イオンと連携を決めた時、わが商店街の組合員はわずか48店舗。こんな小さな商店街でも、対等にイオンさんとはお付き合いをさせてもらっている。佐久っ子ワオンカード普及のために、振興組合のエリアもイオン佐久平店を含む広域なものに、定款変更も行った。
 お客様にとって「イオンも商店街も岩村田」ひいては佐久エリアなのだ。お客様にこのエリアに来ていただける、一つの媒体としての佐久っ子カードと、この地域の中で、「地域マネー」として、新たな存在感、存在価値を産ませていく機能と、二つの重要な要素を持たせたのが「佐久っ子ワオンカード」なのだ。
 現在加盟店舗は70店舗、カードホルダーは約15,000名だが、この「佐久っ子ポイント」を地域の電子マネーとして、位置付けるための施策を打ち出している。5カ年計画での「地域通貨」の実現に向けて大きく動き出しているところだ。新たな地域通貨の形を「先進モデル」として構築したいと考えている。

佐久っ子ワオンカードイオンとの共同販売
ワオンポイントと商店街ポイントがたまる、佐久っ子ワオンカード。イオンとの共同販売も恒例化している。

 

 

登録日 2014年1月28日(火曜)03:53

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