コラム・事例紹介

第64回 まちづくりコラム プロセスマネジメントからの育成視点(後編)佐藤皓祠

佐藤 皓祠

佐藤 皓祠(さとう・ひろし)

北九州市黒崎地区中心市街地活性化協議会
タウンマネージャー
有限会社日智 代表取締役
大学卒業後(株)そごう百貨店に入社、顧客管理や系列化施策、マーケティングや外販営業企画,商品開発に取り組む。㈱そごう退社後、流通小売系を中心に営業コンサルティング会社有限会社 日智(ニッチ)を設立し、その後国の外郭機関や行政、商工会議所の中小企業、地域活性化事業支援など経済、地域活性化に取り組む。平成19年9月、北九州商工会議所「食のブランド認定事業」の専門委員会に参加。以後、北九州市市内の地域ブランド開発や、県内外県連、商工会の地域開発関連事業に多数専門家として参加、支援を実施。平成25年4月、内閣府内閣官房より地域活性化伝道師を委嘱。

まちづくりの人材掘り起こし

 まずは、まちづくりの人材を掘り起こすため、「まちづくりのコンセプトワーク」、「まちづくり塾」、「黒崎まちづくり元気塾運営委員会」などを実施してきた。
 「まちづくりのコンセプトワーク」では、中活事業開始直後に部会を設置し、「まちづくりのコンセプト」を決め、協議会で合意形成を図った。具体的には、活性化事業参加者から募った専門部会を開催し、「人に優しい、人情あふれるおもてなしのまち 黒崎」で合意するに至った。また、コンセプトを明確化し、常にどの場面にもコンセプトが露出するように徹底した。

検討の経緯

検討1 検討2

 次に、「まちづくり塾」では、先述のコンセプトの下、中心市街地活性化を推進するために、多彩な事業を展開する人材の育成が重要と考えた。そのため、黒崎地区のまちづくりをテーマとした自由な議論を行う「黒崎まちづくり塾」を開催、広く塾生を募集した。塾は平成21年1月に開校し、座学のみならず、「みんなで語ろう!黒崎のまちづくり」といった取組も実施した。具体的には、参加者自らがまちづくりに対する想いやアイデアを出し、それらを「黒崎活性化のための提案シート」にまとめて、まちの活性化のための方策や問題点などについて一緒に考え、具体的な形にしていく活動であった。

プレイヤーの育成

 実際にプレイヤーを育成するため、「黒崎まちづくり元気塾運営委員会」を開催した。委員会では、持続的・発展的なまちづくりに必要な商店街の若手や地元住民を中心としたまちづくり体制を構築するため、先進的なまちづくりの取組みを検討・分析した。また、検討・分析した結果については、幅広く黒崎地区へ還元し、具体的なまちづくりに繋げた。さらに、まちづくりの意思の高い者に対し、先進地での研修を実施するとともに、これまでの派遣研修者からも聞き取りを行い、これまでの報告会で発表した内容も含め、早期に実現可能と思われる取組について、他の事業との組み合わせ等も検討しながら、継続可能な事業の実現を目指した。併せて、新たなまちづくり人材の掘り起こしや、まちづくりの取組みを推進するため、先進地より講師を招き、講演会を開催してきた。

黒崎まちづくり元気塾運営委員会の内容

派遣者選定 : 自薦・推薦された派遣者が作成する企画書などをもとに実行委員会が選定
派遣者資格 : まちづくりへの関心が高く、派遣後に黒崎地区のまちづくりに積極的・継続的に関われる者
派遣期間 : 1週間から3ヶ月程度まで
派遣場所 : 実行委員会が指定する箇所
(派遣者が作成した企画書の希望箇所をもとに実行委員会が決定)
派遣費用 : 旅費(交通費+旅費)、日当(3千円程度)
発表会開催 : 派遣研修の成果発表会を実行委員会で開催
講演会開催 : 講演会開催を要望するまちづくり団体等からの要望書を受け、実行委員会が開催
聞取り調査 : 昨年までの派遣研修者から聞取りを実施し、より実現可能な事業から組み立てて行く

黒崎まちづくり元気塾運営委員会メンバー(当時)

会長 : 北川会長(黒崎商店組合連合会)
副会長 : 平山会長(黒崎第3自治区会)
監事 : 馬渡事務局長(黒崎地区中心市街地活性化協議会)
委員 : 上野会長(副都心黒崎開発推進会議)
委員 : 上野会長(北九州青年経営者会議)
委員 : 内田支店長(北九州まちづくり応援団株式会社)
委員 : 堤課長(建築都市局都心・副都心開発室)
事務局長 : 佐藤タウンマネージャー(黒崎地区中心市街地活性化協議会)
事務局 : 石橋事務局員(黒崎商店組合連合会)
事務局 : 藤井係長(建築都市局都心・副都心開発室)
委員会メンバー 委員会メンバー

研修の様子

研修 研修
東大阪市瓢箪山商店街(ブランド化)
研修 研修
京都市西新道商店街(電子マネー)
研修
神戸市湊川商店街
(やるで委員会)

組織運営に関するマネジメント

 人材育成と平行して、組織運営に関するマネジメントも重要になる。組織運営に関するマネジメントの中でも、特に目標管理は重要である。タウンマネジメントには上から下まで、明確な目標が必要である(目標の連鎖)。目標は自らの率いる組織が上げるべき成果を明らかにしなければならない。また、他組織の目標達成の助けとなるべき貢献も明らかにする必要があり、組織に期待できる貢献を明らかにしなければならない。
 さらに、目標は始めからチームの目標に組み込んでおく必要がある。また、それらの目標は常に組織全体の目標から引き出したものであり、活性化事業計画全体の目標と各部門の目標に基づいたものでなければならない。
 なお、目標は短期的視点と長期的視点からの規定が必要であり、有形の経済的な目標のみならず、無形の目標、すなわちタウンマネージャーの育成と組織化、事業推進に対する責任についての目標も含まなければならない。
 黒崎地区では、「目標の設定」「目標達成の指揮」「結果の測定」を行っている(常に議論の軸に置き啓発活動も行ってきた)。また、事務局定例ミーティング(事務局全員、行政担当者、商工会議所、商店街組合、まちづくり会社)を定期開催(毎週金曜日16~17時:活動報告会)しており、目標の進捗確認を行っているところである。
 平成26年1月現在、大小合わせ10の活動団体が形成され、黒崎地区の活性化活動を行っている。

今後の重点課題

これまで紹介してきたように、黒崎地区における人材育成、組織化への経緯は以下のように整理される。

黒崎地区における人材育成、組織化への経緯

研修

 また、これまで紹介してきたように、人材育成とまちのマネジメント機能の確立が今後のまちづくりの重点課題であると考えられる。以下7点の取組の確実な実現が、いまのまちづくりにおいて求められていることだろう。

  1. 地域資源を掘り起こし、地域課題に即した住まい手視点のまちづくり
  2. そのためには総合的なマネジメントスキルを有する人材育成は急務
  3. その人材が地域活性化の司令塔的存在として活躍できる、認知された位置づけであること
  4. 地方行政のトップがしっかりとバックアップする体制であること
  5. そのようなタウンマネージャーが経済的に安定し、仕事として全うできる職業であること
  6. その帰属する組織が、行政や商工会議所、商店街組合、その他の地域団体、企業に影響されない中立的立場にあること
  7. タウンマネージャーを側面的に支援するための、専門的スキルを有するサポートシステムの確立(タウンプロデューサー組織の位置づけ)

登録日 2014年3月03日(月曜)03:53

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