コラム・事例紹介

第65回 まちづくりコラム 被災商業地が‘新生’するために(前編)東朋治

東 朋治

東 朋治(あずま・ともはる)

有限会社協働研究所 取締役
大学卒業後、鉄鋼会社勤務を経て阪神大震災後の新長田まちづくり(株)に入社し、阪神大震災被災商業地の復興に従事。主にテナントリーシングや地域活性化等を担当。(株)神戸ながたTMO総括マネージャー、神戸・新長田中心市街地活性化協議会事務局長を兼務後、平成22年、現会社に転籍。現在、商店街(タウン)マネージャーの養成や創業支援をはじめ全国の中心市街地活性化サポートに従事。また、(株)全国商店街支援センター「東日本大震災商業復興支援統括マネージャー」として岩手県宮古市の中心市街地商店街復興に尽力。

被災商業地が‘新生’するために

 東日本大震災から3年。被災地滞在の際は復旧・復興過程をつぶさに体感できるが、被災地以外では極端に現状を伝えるニュースは減っている。
 阪神大震災と東日本大震災。時代も都市規模も災害類型も異なっている。共通点もあれば、独自方策を見いだせねばならぬこともある。
 本稿では舞台と主軸を「被災商業地(商店街・商業集積)」に絞り、発災直後、直後から中期(3~5年未満)、長期(5年以上)に分けて、5年後、10年後を見据え今取り組むべき事柄について考えたい。

発災直後

 被害程度によるが、自力再建か共同再建(仮設商店街)の選択を迫られる。浸水地域の新築制限や用地確保など多岐にわたるが、まずは一日でも早く‘戸板商売’でもよいから再開を目指すことだ。早いほど特需も享受でき、生活に目標と張り合いが生まれる。その姿勢は周囲の商業者を奮い立たせる大きな希望となる。
 組合活動としては、商業者の不平や不安を取り除くこと。バラバラになった商業者が集える場の設置である。情報共有円滑化のため、一部役員だけでなく可能な限り全組合員に参加を促すことが大切だ。愚痴の言い合いも1週間も経ると前向きな意見が聞こえてくる。
 なるべく早期に復興キックオフイベントを実施する効果は極めて大きい。賑わいの創出に加え、被災商店主が直近の目標を持つことができ、活動再開する契機になる。解体を余儀なくされ、先が見えない商店主にとって、お客と触れあえるイベントは大きな力となる。
 強いリーダーシップとサポートするマネージャーの存在も不可欠である。常駐困難な外部の支援マネージャーではなく、復興活動を停滞させないためにも商店街に常駐する現地マネージャーの確保と育成はシステム化すべき要素と考える。

発災直後~中期

 流通機能を回復し始めた商業地域にとって、最大の脅威は「余剰支援物資」。衣料品、文具、スポーツ用品、履物、加工食品等が街なかに溢れ、避難所で生活する被災住民以外にも行き届いてしまう。営業再開した商業者の声が届くことはまずない。被災者は商店街の顧客でもあり、強く訴えることができないからだ。「余剰支援物資」は被災地の経済的自立を妨げる。
 余剰支援物資問題に悩む流通機能が回復した商業地域において、支援者に物資の代わりに地域通貨を促し、被災住民に配布することを試みた「震災復興支援地域通貨リアス」事業が岩手県宮古市でスタートした。被災地ツーリズムの一環である買物による支援やボランティアへの対価としてなど利用の幅は広く、今後の大規模災害時における商店街の支援・自立方策として期待される。
 期間を経ると、ボランティア解散や解体工事終了、住宅の遠隔地建設などで特需の恩恵も薄れる。復興工事が本格化すれば数年間は特需が続くことも予測されるが、資材や人件費を含めた工事経費のさらなる増大は確実化され、工事入札不調も相次ぎ、復興スケジュールに深刻な怖れをもたらすことは確実に予想できる。特需期間中に5年先を見据えた取組を進めねばならない。
 一般的に義援金は住民票の所定地に分配されるため、事業所には義援金は届かない。各種制度も、「補助」ではなく「融資」が一般的だったが、東日本では利子補給制度や修繕費補助、国と県の支援策である中小企業等グループ補助金は事業所再建に大きく寄与。仮設商店街の建設も含め、事業所への支援策は阪神より遥かに充実している。

 

登録日 2014年3月06日(木曜)03:53

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