増加する空きスペースの有効活用
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西浦明子(にしうら あきこ)
軒先株式会社 代表取締役
1969年生まれ。大学卒業後、ソニー株式会社入社。
1994年にソニー・チリに駐在、2000年に退社。その後、All About Japanにて広告営業に従事。2001年から2006年まで株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントに所属した後、財団法人日本国際協力システムで政府開発援助関連業務に従事、2007年に出産を機に退職。2008年4月、軒先.comを設立、2015年1月28日に軒先ビジネスに変更し、さらに便利に・快適に利用できるサイトに全面的にリニューアル。2009年1月ベンチャーフェアJapan2009「最優秀賞」、2012年11月第3回日本起業家大賞(TEAJ)パイオニア賞を受賞するなど注目のベンチャー企業である。
-軒先ビジネスを設立するに至った経緯を教えてください-
1991年に大学を卒業し、メーカーに就職しました。それから17年、転職や様々な業務を経験し、出産を機に一旦退職することになりました。ちょうど40歳という年齢が見える頃でしたので、それまでのスキルや経験を活かすことができ、かつ自分自身でタイム・マネジメントができる事業を立ち上げようと考えました。
過去、海外駐在の経験がありましたので、まずは、日本人に馴染みがあまりない雑貨を輸入・販売する事業を行おうとしました。どういった雑貨が売れるのか、見定めが必要でしたので、テスト販売のために店舗を探しました。しかし、短期で借りることができる店舗はほとんどありません。あったとしても、3坪で賃料が1週間21万円という価格であり、しかも半年先まで予約すら取れないという状況でした。
1週間程度の短い期間でも店舗を開設したいと考える人は確かにいるはずで、「机」と「のぼり」さえあればどこでも気軽に販売できる、そういったビジネスが成立するのではないだろうか。また、建物の軒先など使われていない空きスペースはまちなかにたくさんあり、「貸したい人」と「使いたい人」をマッチングさせることは双方にとってメリットがあるのではないだろうか。そのようなアイデアを紡ぎ、具体化させ、半年後、「軒先.com」というサイトを立ち上げました。今まで賃貸借の対象になかったスペースの保有者が「貸す人」となり、そのスペースで事業などを行いたい人が「使う人」となり、「軒先.com」が1日単位でマッチングするというサービスです。双方にとってメリットが大きく、このサービスへの期待は大きいと感じました。立ち上げから半年後の2008年秋にリーマンショックが起こったこともあって、スペース提供希望者も増加、2009年4月に法人化しました。
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