コラム・事例紹介

アジアとの近接性を活かしたまちづくり-福岡における取組-

天野 宏欣(あまの ひろやす)

福岡アジア都市研究所 フェロー
大学院卒業後、株式会社野村総合研究所に入社。上海や台北に駐在し地域計画に携わった後、福岡アジア都市研究所に転職。まちづくりのみならず、創業支援などの研究も実施。

-福岡ではどのようなまちづくりが行われているのですか-

 いま、福岡は、製品・サービスの輸出といったアウトバウンドのみならず、観光などのインバウンドでも「近接性」の観点からアジアとの関わりが重視されています。毎年、数多くの観光客が福岡を訪れていますが、観光客が不自由なく滞在できるよう、4言語に対応したサイン(標識等)が設置されていますし、観光客が買い物をしやすいよう、銀聯(ぎんれん)カード(※)もいち早く導入されました。
 最近では、MICE(※)関連の活動にも積極的であり、中心市街地活性化の観点からは、ユニークベニューの活用が挙げられます。2012年9月30日から10月4日までの5日間、「第32回国際泌尿器科学会(SIU)」が福岡で開催され、世界93カ国・地域から3,000名近くの専門家、関係者が福岡に集まりました。10月1日の夜にはSIUのイベントとして「福岡でしかできないおもてなし~SIUナイト 」が行われ、川端商店街をSIUのためだけに開放し、櫛田神社や博多町家ふるさと館、はかた伝統工芸館など各所にてイベントが開催されました 。川端商店街にはステージが設営され、博多ならではのアトラクション「青龍太鼓」や「花の会の三味線」が披露されました。個店も趣向を凝らし、博多ならではの食事、博多織や山笠にちなんだお土産を提供するとともに、参加者はスタンプラリーを片手に商店街を練り歩きました。街全体が祝祭ムードに包まれ、まるで縁日のような賑わいを見せました。福岡市としても初めての試みでしたが、参加者からも高い評価を得た取組であったと思います。このように、中心市街地に求められる役割や機能は、その時々によって変化しますが、福岡では、中心市街地を“都市圏をけん引する経済エンジン”として位置づけています。中心市街地が稼げなければ、都市圏も稼ぐことはできないというロジックで整理しています。

(注)
※銀聯カード
中国銀聯が発行する「銀聯(ぎんれん)」のロゴがあるキャッシュカードやクレジットカードのこと

※MICE(マイス)
Meeting(企業等の会議)、Incentive Travel(報奨旅行)、Convention(国際会議)、Exhibition/Event(展示会・見本市、イベント)の4つの頭文字を合わせた造語であり、多数の集客交流が見込まれるビジネスイベントの総称。

-これからの地域で重要な視点とは何でしょうか-

 国内の定住人口や交流人口を近隣の地域と争うだけでは“ゼロサム”の世界に突入します。その結果、一部の住宅地や商店街だけに人が集まるようになります。福岡がアジアとの関わりを重視しているように、全体のパイをどう広げるかにも注目が必要ではないでしょうか。
 また、同時に、積極的に世界に向けて発信していくことも必要です。海外の人々に取組自体を“アメージング!”と思ってもらい、そして福岡に実際に訪れてもらうには、やはり発信活動を強化していかなければなりません。

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登録日 2015年7月24日(金曜)00:00

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