コラム・事例紹介

地域特産品ブランド化-商品戦略と販売戦略の一体的展開-

黒川健太 黒川健太 (くろかわ けんた)
生産者直売のれん会 代表取締役社長
1975年生まれ、1999年4月にベンチャー・リンク入社、2007年に同社子会社として発足した生産者直売のれん会の社長に就任。2010年7月にMBOにて独立。

 
 

 生産者直売のれん会は、日本全国約100社のこだわりの中小食品生産者と連携し、「価格競争」ではなく「価値競争」を重点とした商品開発を実現してきました。これまで、八天堂のクリームパン、焼きドーナツなど多数のヒット商品が生み出されました。また、各生産者の魅力がしっかりと伝わる出張直売所モデル「1坪ショップ」を開発し、JRや高速道路SAなどの店舗内にSHOP in SHOPの形態で展開するなど多様な販売チャネルを構築しています。
 今回は、生産者直売のれん会が新しく進める「地域特産品のブランド化支援」についてお話をお伺いしました。地域と協業して、1坪ショップの展開や全国約100社の生産者ネットワークによる商品開発等、地域特産品を活用したお土産づくりとはどのようなものなのでしょうか。

-現在、どのような取組を行なっているのですか-

 最近、地方創生の動きもあり、自治体から数多くの問い合わせを頂いております。これまで、マンゴーやいちご、梨、桃、茶葉など、様々な地域農産品のブランド化を支援してきました。
 一次産業が強い地域でも六次産業化を推進する動きが活発化しています。しかし、最終商品に至るまで全ての機能を地域内で完結することは難しいのが実状です。生産者直売のれん会はこれまで全国の様々な地域の加工会社とネットワークを構築してきました。地域の農産品の製品コンセプト作りを行い、ネットワークを活用して他地域で加工を行い、再度地域に戻し、地域ブランドで販売するという取組を行なっています。
 鹿児島県の指宿市の取組事例を紹介します。指宿市に1年間に訪れる観光客は、宿泊客で80万人、日帰りで320万人、合計400万人ともいわれています。一般的に、観光土産産業は、観光客数一人あたり1,000円として概算できます。指宿市は400万人の観光客ですので、40億円の観光土産売上が期待できますが、実際は数億円程度です。指宿市にはこの地でしか購入することができないお土産がないため、観光客は指宿市では何も購入せず、帰り際の鹿児島空港または新幹線・鹿児島中央駅で購入しているのが実状でした。空港と新幹線の駅でも購入できるお土産であれば、指宿市で購入する必然性はないといえます。
 そこで、観光土産産業がこの地域の新たな産業となるポテンシャルがあることに着目し、指宿でしか買えない指宿限定のお土産物を作ろうということで、取組がスタートしました。
 ただ、お土産を作るにはその地域で作ることの意義、ストーリーが必要です。そこで、指宿のことを調べていったところ、指宿市は日本のマンゴー栽培の発祥の地ということが分かりました。マンゴーからイメージされる地域は「宮崎県」であり、地域の人もまたマンゴー栽培発祥の地であるという事実を知りませんでした。誰にも知られていないからこそ、それを商品のコンセプトに据えることはとても面白みがあります。マンゴーを軸とした商品開発に着手しました。

 実際、商品開発を進めようとしても一筋縄ではいきません。マンゴー栽培を行う農家は指宿市にあるのですが、食品加工事業者がほとんどありません。主要産業が農業と観光業ですので、食品加工業がないことは当然です。そこで、食品加工業のネットワークを活用し、愛知県や岡山県の地域外の加工事業者に委託し、農産品の生産と販売はその地域で行うという取組としました。現在、マンゴープリンやマンゴージェラート、マンゴーラスクなどを生産・販売しています。メディアにも取り上げられ、さらに販売は伸びているところです。

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登録日 2015年11月10日(火曜)00:00

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