コラム・事例紹介

発明の時代へようこそ!-空き地は宝物-

西村 浩 西村 浩 (にしむら ひろし)
 1967年佐賀県生まれ / 東京大学工学部土木工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、設計事務所勤務を経て1999年ワークヴィジョンズ設立。同社代表取締役。
 主な計画・作品に、大分都心南北軸構想、佐賀市街なか再生計画、函館市中心市街地トータルデザイン、岩見沢複合駅舎、佐賀「わいわい!!コンテナ」、鳥羽海辺のプロムナード「カモメの散歩道」、長崎水辺の森公園橋梁群など。
 主な受賞歴に、日本建築学会賞、土木学会デザイン賞、グッドデザイン賞大賞、BCS賞、ブルネル賞、アルカシア建築賞、公共建築賞 他多数。

 
 

1.わいわい!! コンテナ

中心市街地の空店舗・空地対策として、西村さんが取り組まれた「わいわい!! コンテナ」プロジェクトが注目を集めています。「わいわい!! コンテナ」はどのようにして取り組まれることになったのですか?

 もう7年ほど前になりますが、きっかけは佐賀新聞東京支店の記者から取材を受けたことです。
 私が佐賀市出身で、記事の最後に書かれた「生まれ育った佐賀の街が寂しいのでなんとかしたい」という私のコメントを見た市民の方から、「ぜひ話を聞いて欲しい」と連絡をもらいました。地元だったので訪問したところ、それが縁で佐賀市に定期的に通うようになり、市民有志の皆さんと集まって佐賀のまちづくりについて語り合ってきたところ、一年ほど経ったころでしょうか、その集まりで出会った佐賀市役所の方から、街なかをなんとかして欲しいと依頼されたのです。
 実際、佐賀市の街なかは空店舗・空地だらけ。自分が子どもの頃に過ごしていた街なかは、昔のような賑わいは無くなってしまっていて、びっくりしてしまいました。

佐賀市中心部の駐車場・空地・空店舗・空事務所


 同時に、街なかの賑わいを再生するためにはこれまでと同じことをしていてもだめだと思いました。もちろん行政も何もやらなかったわけではなく、活性化に向けた取組を行ってきたと思います。それでも思うような結果が出なかったのでしょう。社会の情勢や価値観がこれまでと変わってしまったのであれば、これと向きあわなければなりません。拡大の論理が成り立たない人口減少の局面では、街なかに空き地ができるのは当然のこと。これを力づくで、埋めようとしてもだめだと思いました。
――――ではどうするのか。
 考え抜いて思いついたのが「空地にこそ価値がある」ということを実証する取組です。それが、社会実験「わいわい!! コンテナ」プロジェクトです。アーケードに面した街なかの空地で「芝生のある原っぱ」を作り出し、コンテナを使って雑誌やまんがや絵本のある交流スペース「空地リビング」を作り出しました。コンテナを使ったのは、移動可能で、再利用でき、社会実験のツールとして最良だと思ったからです。原っぱは、ドラえもんの中で子どもたちが遊んでいるドカンがある広場のイメージです。公園ではありません。公園にしてしまうと規制が増えてしまうので、敢えて自由に使うことができる芝生の「原っぱ」にしたのです。
 ただ、よく誤解される方がいるのですが、どこでも空地に芝生を貼ってコンテナを置けばうまくいくのかというと、そんな簡単なことではありません。
 もともと、「わいわい!! コンテナ」は、コンテナの設置による周辺への社会的な影響(連鎖)を検証することをねらいとして取り組んだものです。ですから、単に奇抜な取組を行って人集めに成功したという短期的な現象だけでなく、どのような連鎖的な影響が生まれたかに注目していただきたいと考えています。
 つまり連鎖的な影響が生まれれば、コンテナで無くても良いのです。全国各地から、コンテナを置いてみたいという相談を多数受けているのですが、コンテナありきでは本末転倒です。そもそもの目的に立ち返って考えることが大切だと思います。

わいわい!! コンテナ1

わいわい!! コンテナ2

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登録日 2016年3月29日(火曜)00:00

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