コラム・事例紹介

「ものづくり」が生む地域の絆 -FabLab Kamakura-(後編)
  渡辺 ゆうかさん

渡辺 ゆうか

渡辺 ゆうか(わたなべ・ゆうか)
一般社団法人 国際STEM 学習協会/FabLabKamakura 代表
多摩美術大学環境デザイン学科卒業後、都市計画、デザイン事務所を経て、2010年ファブラボジャパンに参加。2011年5月東アジア初のファブラボのひとつである、ファブラボ鎌倉を田中浩也と共同設立し、2012年にFabLabKamakuraを立ち上げ代表を務める。地域と世界を結び、デジタル工作機械の普及により実現する21世紀型の創造的学習環境構築に向けて、世代や領域を横断した活動を展開している。

ファブラボ鎌倉で提供されているプログラムについて、お伺いできますか。どのような方が参加されているについても教えていただけますか。

ファブラボ鎌倉の役割は曜日によって変化します。一覧に示したのが、このスケジュール表です。

ファブラボ鎌倉で提供されているプログラム

出所)FabLab Kamakura  最新のスケジュールはWEBサイトを御覧ください

■月曜午前の「朝ファブ」
 月曜日はコミュニティラボとして、「朝ファブ」という取り組みを行っています。これは、周辺の掃除など、施設のメンテナンスに協力した方に限り、その日の午前中にファブラボ鎌倉の機材を利用できるというものです。
 「朝ファブ」は、子供から大人まで、どなたでも参加することができます。お母さんに連れられてくる小さなお子さんから、既に仕事からリタイヤされている方まで、幅広い年齢層の方が利用されています。2、3カ月ほどで3Dプリンタやレーザーカッターに慣れてくると、プログラミングや電子工作にチャレンジし始める方が多いですね。こうした活動は、全てノートかWeb上にまとめてもらっています。
 また、リタイヤ世代も主要な参加者です。特に、鎌倉には、もともと電子機器の開発者、金属加工者、研究者だったスキルのある方々がいます。こうした皆さんには、 “スーパーエンジェルズ”として参加者を指導していただいています。 ものづくりに関心のある多様な世代の方々が利用されることによって、ファブラボは、「まちのサードプレイス」というべき、多様な世代間交流の場となっています。子供たちが、学校でも家庭でもなく地域の方との関わりを持ちながら成長できる場や、リタイヤ後の方が、地域に根付きながら自分が興味を持っていることを実現する場をご提供できていると思っています。

「朝ファブ」の風景

「朝ファブ」の風景

FabLab Kamakura提供FabLab Kamakura提供

■ウィークデイの「研究開発活動」と「STEM」
 火曜日から金曜日は、予約制で研究開発のためのラボとしての運営を行っています。主に企業や、クリエイターの皆さんが利用しています。
 また、水曜日の午後には「STEM」という18歳以下を対象にした教育プログラムを提供しています。これは総務省の若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業として始めました。アドビが実施した「Z世代」と呼ばれる12歳から18歳を対象にした調査があります。この調査によると、「自分達が創造的である」と考えているという回答が日本の場合8%しかありません。米国もドイツも英国もほぼ4~5割を占めているのにです。教師はもっと顕著で自分が教えている子供が創造的だと思っているのは4%です。“つくりたいものが思いつかない”子供が多いという状況に危機感を感じます。若年者の課題設定能力、課題解決能力、情報伝達能力を高めるために、慶応大学SFC教授陣と組んでプログラムを開発して、提供しています。

「STEM」で提供しているプログラム

「STEM」で提供しているプログラム

出所)FabLab Kamakura

■週末の「トレーニングプログラム」
 週末には、一般の方を対象にして、FAB基礎講座、IoT基礎講座、FabAcademyというトレーニングプログラムを提供しています。短期集中プログラムは、時間がない中でスキルを効率的に学びたいという建築家や、デザイナー、エンジニア等が主に受講されています。
 加えて、社会人や学生を対象とするFabAcademyは、費用は5,000ドル(約50万円)かかりますが、毎年1~6月の19週間にわたって冒頭にご紹介したMITのNeil Gershenfeld教授の世界同時配信授業を受けることができます。

FabLab Kamakuraが提供しているプログラム例

FabLab Kamakuraが提供しているプログラム例

出所)FabLab Kamakura

 ファブラボ鎌倉は、「Learn/Make/Share」をテーマに次世代のモノづくりを学ぶ場所です。なので、機材や設備の時間貸しサービス、3Dプリント用のデータ作成サービスなどは行っていません。現在は、講習会や朝ファブに参加して会員になっていただいた方が利用できるというシステムになっています。朝ファブは無料ですが、その他の講習などは有料のものもあります。ボランティアというわけではないので社会的な意義と運営体制のバランスを見ながら活動しています。

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関連リンク

ファブラボ鎌倉
「ものづくり」が生む地域の絆 -FabLab Kamakura-(前編)

登録日 2018年3月30日(金曜)00:00

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