コラム・事例紹介

地域×クラウドソーシングの可能性
株式会社クラウドワークス 田中健士郎さん(後編)

田中 健士郎

日本最大級のクラウドソーシングである「クラウドワークス」。2018年1月現在のユーザー数は179万人、クライアント数は22.5万社に達し、大企業だけでなく中央官庁や80以上の自治体も仕事を発注する仕事をマッチングするプラットフォームとなっています。
最近では、仕事を受発注するプラットフォームだけでなく、実際に地域で拠点を設置し、新しい仕事を創出するという試みを実施されています。
今回は、クラウドワークスの現在の取り組みや課題、今後の展開などについてお伺いしました。

前半では、クラウドワークスの地方における事業内容などをお伺いさせていただきました。 後半では、それらの自治体との関わりや今後の事業展開についてお伺いさせていただきます。

自治体は地域の事業にどのような関わりをしているのですか

 先程、お話したとおり、地域では、クラウドワーキング導入期の対面サポートとコミュニティー形成を行っており、「認知」、「導入」、「定着」の3段階に分けて活動を行っています。
 「認知」、「導入」段階では、活動の開催に関わる経費を自治体に負担していただいています。「定着」段階では、クラウドディレクターが育ち、クラウドワークスを通じて案件を受注できるようになります。ある程度の利益を確保し、事業を運営できるため、自治体の支援が無くても、地域のビジネスとして回していくことができるようになります。
 なお、自治体が求めるものは、自治体の規模によって異なります。例えば、100万都市では月100万円の売上があったとしても経済的なインパクトは小さいため、市民に多様な働き方を知ってもらう市民サービスという位置づけになります。一方で小規模な地域では、他の仕事が多くはないため、月100万円の売上であってもその自治体にとっては重要な働き口という位置づけになります。

何をきっかけに、地域と協業することになったのですか

 クラウドソーシング事業を始めるにあたって、仕事を提供するのはもちろんのこと、教育と社会保障もあわせて提供していくことがミッションになると考えていました。

 ただ当時は、教育に投資できるほどの余裕が無く、日南市から声をかけていただき、クラウドワーキングで月20万円以上を稼げる人を自治体と一緒になって育成することになりました。勤務時間の問題などもあり、当初目標にしていた月20万円は難しく、15万円程度にとどまりましたが、育成したワーカーがクラウドソーシングでの実績を評価され地元のIT企業に採用され、新たな雇用につながるなど事業は成功に終わりました。
 日南市の事例がテレビ東京の「ガイアの夜明け」などメディアに取り上げられるようになった頃から、事業が全国各地に広がりました。最近は、各地の自治体から問い合わせが来るようになっています。

宮崎県日南市_油津コワーキングスペース

宮崎県日南市_油津コワーキングスペース


中心市街地活性化(まちづくり)とはどのような連携がありますか。

 クラウドソーシングは個人で働くため、普段家にいる人が多く、コミュニティーも多くはありません。今後、クラウドソーシングだけでなく、フリーランスの世界も含めコミュニティーを作っていくのが重要になると思います。また、コミュニティーを作るためには、それを形成するための場所が必要となります。

 先ほど事例としてご紹介した自社で運営している長野県駒ケ根市では、クラウドワークス自社で駅前にワーカーが自由に使えるワーキングスペースを作り、現在100名近くの市民がクラウドワーカーとして働いています。ただ、スペースを作るだけではワーカーは利用しないため、機密性が高く、そこでしかできない仕事や、クラウドディレクターに相談しながら進める仕事を集約することで、スペースに来る理由を作っています。また、ワーカーには拠点が受注したクラウドワークスの仕事をしてもらうことで拠点の利益に繋がるなるため、ワーカーから利用料を徴収する必要がありません。そのため、気軽に集まることができ、コミュニティーも形成されていきました。結果として、ワーカーである主婦が駅前に出るようになり、明らかに歩行者の流れ、歩行者の質が変わってきています。

 プログラミングなど特別なスキルを保有し、十分な収入を稼ぐことができるフリーランスの人であればコワーキングスペースの利用料も大きな負担とはなりません。しかし、特別なスキルのないところから仕事を始め、月数万円程を稼ぐ方たちにとっては、数百円のコーヒー代を払うカフェであっても気軽に利用することは憚られるのではないでしょうか。
 コワーキングスペースの利用料を支払うことができるフリーランスの人が多数いるような30万人程度以上の都市であれば、利用料を利用者から徴収する従来型のコワーキングスペースの運営も成り立つかもしれません。一方、月数万程を稼ぐ主婦の方が中心の利用者となる地方では、その様なコワーキングスペースの運営は難しくなってきます。そのため、一般的なオフィスと近い概念になってしまいますが、駒ケ根市の拠点のように、利用料はワーカーからは徴収せず、コワーキングスペースの運営者が仕事をワーカーにしてもらうことで運営費を賄うというビジネスモデルは面白いのではないでしょうか。
 月に数十万円を稼げる人は限られますが、クラウドワーキングによって月数万円を稼ぐことができる主婦の方は地方にたくさん増やすことができるため、働いてもらうことによって運営費を賄うコワーキングスペースの可能性は高いと考えます。また、そういったコワーキングスペースはコミュニティー形成にも役立つため、地域の活性化にもつながるのではないでしょうか。

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関連リンク

株式会社クラウドワークス
地域×クラウドソーシングの可能性 株式会社クラウドワークス(前編)

登録日 2018年3月30日(金曜)00:00

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